トランプ前大統領、機密文書保管で「監視カメラ映像の消去企てた」 私邸のIT管理者が証言

Mar-a-Lago

画像提供, Getty Images

画像説明, トランプ前米大統領の私邸マール・ア・ラーゴ

ドナルド・トランプ前米大統領(77)がアメリカ政府の機密文書を私邸で違法に保管していたとされる事件で、私邸の監視カメラ映像を消去するよう従業員に圧力をかけていたとして追起訴されている前米大統領について、私邸の従業員が事件への関与を証言したことが、22日に裁判所に提出された書類で明らかになった。前大統領は、追起訴された内容について無罪を主張している

検察によると、フロリダ州にあるトランプ前大統領の私邸マール・ア・ラーゴでITディレクターを務めるユシル・タヴェラス氏は、担当弁護士を変更した後に、証言を一変させたという。

タヴェラス氏は連邦大陪審に対する3月の証言では、「マール・ア・ラーゴでの監視カメラ映像に関する接触や会話はなかった、あるいは記憶にないと繰り返し主張」していた。

しかし現在は、トランプ氏と2人の側近が「監視カメラ映像を消去しようとしていた」と証言しているという。

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タヴェラス氏は裁判資料に「トランプ従業員その4」として記載されている。

前大統領は機密文書保管に関して、計40件の罪状で起訴され、いずれについても無罪を主張している。

前大統領に対する複数の捜査を主導する司法省のジャック・スミス特別検察官は、トランプ前大統領が、私邸で撮影された監視カメラ映像を連邦捜査局(FBI)から隠すために側近2人と共謀したとして、防衛情報を意図的に保持していた罪1件と、司法妨害罪2件の計3件の罪状で前大統領らを7月末に追起訴していた。前大統領と側近のウォルト・ナウタ被告に加え、監視カメラ映像証拠に関しては、私邸マール・ア・ラーゴのスタッフ、カルロス・デ・オリヴェイラ被告も起訴された。

前大統領とナウタ被告はこれに先立ち、機密書類の私的保管や不当な共有、司法妨害などの罪37件について、無罪を主張している

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弁護士を変更直後に過去の証言撤回

22日に提出された法廷文書によると、タヴェラス氏はスミス特別検察官から偽証罪の捜査対象になっているとの通告を受けた後、弁護士を変更した。

タヴェラス氏の元弁護士は、ナウタ被告の代理人でもある。

検察は、捜査当局から監視カメラ映像の提出を求められた後、デ・オリヴェイラ被告がタヴェラス氏に映像の消去を依頼したことを示す証拠を入手したとしている。

連邦大陪審を監督するジェイムズ・ボアスバーグ判事は、検察側が、前大統領の政治活動委員会「セイヴ・アメリカ(アメリカを救え)」から一部資金提供を受けているタヴェラス氏の弁護人スタンリー・ウッドワード氏の利益相反を指摘したことを受け、タヴェラス氏に公選弁護人を提示した。

法廷文書は、「『トランプ従業員その4』に宣誓証言を訂正するよう助言すれば、ウッドワード弁護士のもう一人の依頼人であるナウタ氏を有罪にする証言につながるが、『トランプ従業員その4』の虚偽証言を訂正せずに放置すれば、『トランプ従業員その4』は偽証罪で刑事責任を問われることになる」としている。

タヴェラス氏は7月5日、ボアスバーグ判事に対し、今後はウッドワード氏による弁護は望まず、公的な法律支援を受け入れると伝えた。

「そうして新しい弁護人を得た直後、『トランプ従業員その4』は以前の虚偽証言を撤回し、ナウタ、デ・オリヴェイラ、トランプが監視カメラ映像を消去しようとしたと示す情報を提示した。その内容は、すでに起訴状に書かれている通りのものだった」と、検察側が裁判所に提出した資料に書かれている。

タヴェラス氏は、来年5月に公判が予定されているこの機密文書問題で起訴されていない。

トランプ前大統領はこの機密文書の事件に加え、2020年大統領選の結果を覆そうとしたとして首都ワシントンジョージア州で起訴されている。ニューヨーク州では、ポルノ俳優への口止め料の支払いに関して起訴されている。