米特別検察官、トランプ前大統領を追起訴 機密文書保管問題

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ドナルド・トランプ前大統領が退任後に機密文書をフロリダ州の私邸に保管していた問題で、捜査を主導するジャック・スミス特別検察官は27日、私邸の監視カメラ映像を消去するよう従業員に圧力をかけていたなどとして、トランプ氏を追起訴した。
修正された起訴状には、防衛情報を意図的に保持していた罪1件と、司法妨害罪2件の計3件の罪状が加えられた。
また、この問題をめぐり、私邸マール・ア・ラーゴのスタッフ、カルロス・デ・オリヴェイラ氏も起訴された。デ・オリヴェイラ氏は監視カメラ映像を消去して証拠を隠そうとしたとされる。
トランプ前大統領は、この問題で起訴されている側近のウォルト・ナウタ氏とともに無罪を主張している。ナウタ氏にも27日、新たに2件の司法妨害罪が追加された。
追起訴を受け、トランプ氏は2024年大統領選挙キャンペーンから発信した電子メールで、「錯乱したジャック・スミスは訴因がないと分かっているのに、自分たちの違法な魔女狩りを救済できる方法を探し回っている」との声明を出した。
私邸スタッフらが共謀か
新たな法廷文書には、ナウタ氏と、マール・ア・ラーゴの不動産管理人だったデ・オリヴェイラ氏が司法省の捜査を妨害するために行った行為が記されている。
それによると、司法省が機密文書が保管されているとされた私邸の地下室の監視カメラ映像の提出を求める召喚状を出した後、監視カメラ映像を削除するため両人が共謀していたという。
また、デ・オリヴェイラ氏は情報技術部門の責任者である別の従業員に対し、「ボスが」サーバーの削除を望んでいるとメールしたとされる。
デ・オリヴェイラ氏はその後、小さなITルームでその従業員と会い、互いの会話は内密にしておくべきだと伝えた。従業員が同氏にはそのような権限はないと答えると、同氏は自分の要求に応じるよう圧力をかけたという。
起訴状には、ナウタ氏とデ・オリヴェイラ氏がマール・ア・ラーゴの端にある茂みの中を歩いてITルームに向かったとされる様子が描かれている。
デ・オリヴェイラ氏は「自分たちはこれから何をするんだ」と、同僚に尋ねたとされる。同氏の弁護士はコメントを拒否した。
権限ない人物に機密文書を見せたか
更新された起訴状によると、トランプ前大統領は、インタビューを行うためマール・ア・ラーゴを訪れた伝記作家たちと、機密指定されているものと知りながら極秘文書について話し合ったとされる。
この文書には、「A国」を攻撃する可能性のある計画が含まれていたという。米CNNなどは、A国がイランのことだと特定した。
前大統領は、「僕が見つけたものを見てくれ。(中略)驚きだろう? ここには書類の山があって、ちょうどこれが出てきた。見てくれ」などと、来客の1人に言ったとされる。
米議会襲撃めぐり特別検察官と面会
他方、スミス特別検察官は27日、2020年米大統領選の結果を覆そうとした疑惑に関する別の捜査で、前大統領の弁護団と面会した。
ジョン・ローロ弁護士とトッド・ブランチ弁護士との面会は、ワシントンにあるスミス氏のオフィスで行われたと、米メディアは伝えた。
前大統領は18日、2021年1月の連邦議会襲撃事件をめぐり、特別検察官から自身が捜査対象になっているとの通告を受け取ったとし、逮捕される可能性があるとの見方を示した。しかし、弁護団は27日、その時期について何も示唆されていないとした。
トランプ前大統領をめぐる法的問題は増え続けており、その中に今回の追起訴が加わることとなった。
現在、前大統領は34件の第1級事業記録改ざん罪に問われている。2016年大統領選まで2週間を切った時期に、「弁護士A」に指示して「女性2」に13万ドルを支払い、同氏との不倫とされる関係について発言させないようにした疑惑が持ち上がり、捜査が進められていた。こうした事案での金銭の支払い自体は合法だが、トランプ前大統領はそれを事業費として計上したとされる。
ファッション誌エルの元コラムニスト、E・ジーン・キャロル氏は、1990年代に米ニューヨークのデパートでトランプ前大統領から性被害を受けたとして民事訴訟を起こしている。また、前大統領が今年5月にCNNでキャロル氏の告発を「でっち上げでうそ」と呼んだことについて、ニューヨーク市マンハッタンの連邦地裁の陪審は名誉毀損(きそん)だと認め、損害賠償として約500万ドル(約6億7500万円)を支払うよう命じた。
ジョージア州の検察は、トランプ前大統領が2020年大統領選でのジョー・バイデン氏の勝利を取り消すよう州当局者に違法な圧力をかけた疑惑について、起訴を検討している。







