トランプ前米大統領、ジョージア州でも起訴 2020年大統領選に介入と
ケイラ・エプスティーン、マデリン・ハルパート(米アトランタ州の裁判所)

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アメリカのドナルド・トランプ前大統領が14日、2020年大統領選挙でのジョージア州における敗北を不正に覆そうとしたとして起訴された。前大統領が起訴されたのは今年4回目。
同州フルトン郡の大陪審は、トランプ前大統領と関係者18人を起訴した。起訴状には、脅迫など41件の訴因が記されている。うち前大統領に対するものは13件。
前大統領は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に「魔女狩りだ」、「なぜ2年半前に起訴しなかったのか? (大統領選に向けた)私の政治活動のただ中にやりたかったからだ」と書いて、起訴を非難した。
前大統領はこれまで、すべての事件で起訴内容を否認している。前大統領の陣営は、アメリカが「マルクス主義の第三世界の独裁国家」になったと述べた。
フルトン郡のファニ・ウィリス地区検事は2021年2月、前大統領と関係者に対する選挙介入疑惑の捜査を開始した。
14日夜の起訴の後、同検事は今月25日までに出頭する機会を被告らに与えると発表した。また、被告19人を同時に裁判にかける方針を明らかにした。
前大統領と共に起訴されたのは、前大統領の元弁護士のルディ・ジュリアーニ氏、元大統領首席補佐官のマーク・メドウズ氏、元ホワイトハウス弁護士のジョン・イーストマン氏ら。
ほかに、元司法省職員のジェフリー・クラーク氏や、前大統領の弁護士で、大規模な不正投票があったという根拠のない主張を広めたシドニー・パウエル氏とジェナ・エリス氏も含まれている。
起訴状はこれら被告について、「選挙結果を不法にトランプに有利に変えるための共謀に(違法性を)認識しつつ故意に加わった」としている。
98ページにわたる起訴状は、前大統領を以下の重犯罪などに問うている。
- 脅迫に関するジョージア州法違反
- 公務員に対する宣誓違反の教唆
- 公務員になりすますための共謀
- 第一級偽造の共謀
- 虚偽の供述および記述と虚偽文書の提出
起訴状は被告らをまとめて「犯罪組織」と表現。証人への圧力、コンピューターへの不法侵入、窃盗、偽証などの罪を犯したとしている。
最も重い罪状は「威力脅迫および腐敗組織に関する連邦法(RICO法)」違反で、最大で禁錮20年に処される可能性がある。
同法は、マフィアのような犯罪組織への対策として整備された。違法行為の実行者と、指示を出した者をつなぐうえで、検察にとって有用な法律となっている。
「でたらめな起訴」

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トランプ前大統領は今回の訴追について、民主党のウィリス検事による、政治的動機に基づく行為だと批判した。前大統領は、来年の大統領選の共和党候補指名争いで現在、先頭を走っている。
前大統領側は声明で、同検事を「狂信的な党派主義者」と表現。来年の大統領選を妨害し、「優勢なトランプ陣営に打撃を与える」ために、「でたらめな起訴」を行ったと主張した。
そして、「民主党が圧倒的に強い司法管轄区における、偏向検察官による今回の組織的な攻撃は、アメリカ国民の信頼を裏切るばかりか、でっち上げの訴追を後押しする真の動機もあらわにしている」とした。
トランプ前大統領は、刑事責任を問われたアメリカ初の大統領経験者となっている。
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フルトン郡のウェブサイトには14日、大陪審が起訴を議決する前に、トランプ前大統領に対する訴因のリストを記した文書が掲載され、混乱が生じた。
その文書には、前大統領が脅迫、詐欺の共謀、虚偽供述の罪で起訴されたと書かれていた。
ウィリス検事の広報担当は、この文書は「架空のもの」だとしだが、裁判所のウェブサイトに掲載された理由については説明しなかった。
前大統領とその支持者らは、この事務的なエラーと思われる事象を捉え、手続きで不正があったと主張した。
票の「発見」を依頼

前大統領はすでに、ジョー・バイデン大統領(民主党)に敗れた2020年大統領選の結果を覆そうと共謀したとして、首都ワシントンの連邦検察当局に起訴されている。この件の起訴状はかなりの部分を、前大統領側のジョージア州での活動の記述に割いている。
ウィリス検事の捜査は、大統領選の重要州で、トランプ前大統領が僅差で敗れたジョージア州に焦点を絞っている。
前大統領は2021年1月、ジョージア州のブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官に、同州でバイデン氏に勝利するのに必要な1万1780票を「見つける」よう依頼。その電話は録音が残っている。
起訴状には、ジョージア州のある郡で投票機に手を加え、データを盗み出そうとしたとされる計画の概要が記されている。
また、大統領と副大統領を選出する選挙人団を構成する選挙人の虚偽の名簿を提出しようとしたとされる計画についても触れられている。
前大統領は来年3月25日、ポルノ俳優への口止め料の支払いに絡むニューヨーク州での裁判で出廷する。同5月20日にはフロリダ州で、大統領退任後に私邸マール・ア・ラーゴで発見された機密文書の取り扱いに関して、公判が予定されている。
前大統領はいずれの事件でも無罪を主張している。












