英下院、ジョンソン氏非難の「パーティーゲート」報告書を可決 反対はわずか7票

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イギリスの下院は19日、新型コロナウイルス対策のロックダウン中に首相官邸などでパーティーが開かれたいわゆる「パーティーゲート」について、当時首相だったボリス・ジョンソン氏の対応を非難した調査報告書を、354対7の圧倒的賛成多数で可決した。
英下院特別委員会は15日にこの報告書を発表。ジョンソン元首相がこの問題をめぐる答弁で「議会を故意にミスリード」していたと結論し、90日間の議員資格停止処分に当たるとしていた。また、元議員に与えられる議会への入場許可証をジョンソン氏から剥奪するよう勧告していた。
報告書は承認されたものの、ジョンソン氏は報告書が公表される前に議員を辞職しているため、資格停止処分は実施されない。一方、議会への入場許可証は取り消されることが決まった。
この日の議会では当初、報告書に対する投票を行うか不透明だったが、最大野党・労働党が強行した。与党・保守党は党議拘束をかけなかった。
保守党からは、テリーザ・メイ元首相のほか、ペニー・モーダント下院院内総務、ジリアン・キーガン教育相といった幹部議員を含む118人が賛成票を投じた。

投票前の審議でメイ元首相は、報告書を支持することが、議会に対する国民の信頼を回復するための「小さいが重要な一歩」になるだろうと述べた。
メイ氏はさらに、「公職の水準を維持し、議員として奉仕する人々への責任を私たち全員が認識していると示し、議会制民主主義に対する信頼を回復するために」、報告書を支持するよう、保守党議員らに促した。

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一方、保守党で反対票を投じたのは6人。また、議員255人が棄権するか議場に姿を現さず、投票しなかった。
ジョンソン氏は自分を支持する議員らに、報告書に反対票を投じるよう求めていた。関係者によるとジョンソン氏は、すでに議員を辞職しているので実質的な影響はないと話していたという。
だがこの動きは、保守党内での自身の支持率が低いことを明らかにするのを避けるためのものだと指摘する声もあった。
支持者の中にも、投票を棄権したり、全く姿を現さない議員がいた。審議に参加したジョンソン氏の盟友、ジェイコブ・リース=モグ議員やリア・ニチ議員らも、投票はしなかった。
かつてジョンソン氏の議会担当秘書官だったニチ議員は、ジョンソン氏が故意に議会を欺いたという証拠は見受けられないと述べ、委員会の公平性を疑問視した。リース=モグ氏は、90日間の資格停止処分は「執念深い制裁」だと評した。
リシ・スーナク首相は審議に参加しなかった。また、他の議員に影響を与えたくないとして、賛否どちらに投票したか明かさなかった。
野党・自由民主党は、スーナク首相を「卑怯にも責任を回避した」と非難した。
同党のデイジー・クーパー副党首は、「首相が議決に参加しなかったことが、彼のリーダーシップの欠如についてすべてを物語っている」と述べた。
最大野党・労働党の報道官もスーナク氏について、「国を統治するには分裂しすぎた保守党を率いるには、彼は弱すぎる」と批判した。
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保守党の議員が多数を占めた特別委は、ジョンソン氏がパンデミック時に首相官邸で起きた新型ウイルス対策違反について、議会をミスリードしたかを検討した。
その結果、ジョンソン氏が「個人的に違反を知って」おり、それを「積極的に調査することを繰り返し怠った」ことは、事実から「意図的に目をそらした」ことに他ならないと結論付けた。
また、特別委を攻撃するなど議会への「侮辱」があったたため、より厳しい処分を決定したと説明した。
ジョンソン氏は、公表前に報告書を見た段階で議員を辞職。その際、報告書な内容に言及し、特別委の対応は「魔女狩り」で、報告書は「偏見」に満ちて「間違いだらけ」だと非難していた。
特別委で委員長を務めた労働党のハリエット・ハーマン議員は19日の審議で、「調査の正当性への反論を目的にした、脅迫、威嚇、嫌がらせのキャンペーンに(委員たちは)耐えなくてはならなかった」と述べている。
ジョンソン氏の議員辞職に伴い、ロンドン近郊のその選挙区では7月20日に補欠選挙が行われる見通し。











