トランプ氏のイラン攻撃、米下院も「青信号」 ホワイトハウスは称賛

米連邦議会の前を傘をさした黒っぽい服を着た人々が通っている

画像提供, Bloomberg via Getty Images

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米連邦議会下院は5日、ドナルド・トランプ大統領が進めるイランへの軍事行動を停止させることを目指した決議案を、反対多数で否決した。ホワイトハウスはこれを称賛した。前日には同様の決議案を上院が否決している

下院の戦争権限決議案は、反対219、賛成212の僅差で否決された。

この決議案は象徴的な意味合いが強く、可決されてもトランプ氏が拒否権を行使する公算が大きかった。

野党・民主党は、トランプ氏が議会の承認なしに攻撃を開始したことを批判している。アメリカでは「差し迫った」脅威がある場合に限り、大統領が独断で攻撃を命じることが認められている。民主党は、アメリカがそうした脅威に直面していたのか疑問だとしている。

ホワイトハウスは下院での決議案の否決後、「イラン政権の殺人的な野望と差し迫った脅威から米国民を守るという、最高指揮官の憲法上の権限を、議会は改めて確認した」とする声明を出した。

民主党の4議員が党の方針に背き、与党・共和党による決議案の否決を支援した。ジャレッド・ゴールデン(メイン州)、グレッグ・ランズマン(オハイオ州)、ヘンリー・クウェイヤー(テキサス州)、ホアン・ヴァーガス(カリフォルニア州)の各下院議員。

一方、共和党のトーマス・マッシー下院議員(ケンタッキー州)とウォーレン・デイヴィッドソン下院議員(オハイオ州)の2人が党派を超えた動きを見せ、多数の民主党議員と共に決議案を支持した。

退役陸軍軍人のデイヴィッドソン議員は、発表した声明の中で、「トランプ大統領の『アメリカ・ファースト』のメッセージは、グローバリストの戦争マシンへの拒絶だったはずだ」と訴えた。

決議案が可決されていれば、攻撃の承認について議員らが審議する間、アメリカのイランに対する軍事行動は停止される可能性があった。

「戦争状態ではない」と下院議長

決議案への反対を呼びかけたマイク・ジョンソン下院議長(共和党)は、今回の結果を称賛。仮に可決されていれば、「議会による非常に重大な誤り」だったと述べた。

ジョンソン氏はさらに、「私たちは戦争状態にはない」と主張。「戦争状態になるつもりもない。これは限定的な作戦だ」と述べた。

上下両院の民主党議員らは、トランプ氏が議会の意向を度外視し、戦争についてあいまいな理由や目的しか提示していないと批判している。ホワイトハウスはこれを否定している。

両院の共和党議員の一部は、今回は決議案を阻止したものの、戦争が拡大や長期化すれば対応を変える可能性があると述べた。

アメリカでは、大統領は正式な宣戦布告なしに軍事行動を開始する広範な権限をもつ。ただし、敵対行為の開始から48時間以内に議会に通知しなくてはならないと、法律で定められている。

マルコ・ルビオ国務長官は、トランプ政権がその規定を順守していると主張している。

ジョンソン下院議長は、トランプ政権が今回の攻撃前に、超党派の議会指導部トップ8人からなる「8人のギャング」に通知していたとしている。