ジョンソン元英首相が議員辞職、パーティー問題追及で「私を議会から追い出そうとしている」

画像提供, Cabinet Office
イギリスのボリス・ジョンソン元英首相は9日、下院議員を辞職すると表明した。ジョンソン氏は前日に、新型コロナウイルス対策のロックダウン中に首相官邸などでパーティーが開かれた、いわゆる「パーティーゲート」に関する調査報告のコピーを受け取っていた。
下院特別委員会は、ロックダウン中に首相官邸などでパーティーが開かれていた問題について、ジョンソン氏が議会をミスリードする発言をしていたかを調査。近く報告書を公表する予定という。
英下院では通常、審議中に閣僚がわざとうそをついたり、議会をミスリードしたりしたと発覚した場合、それは辞職・解任理由になる。議会をミスリードするとは、虚偽と知りながら議会に虚偽の情報を事実であるかのように提示し、誤った方向へ議会を導くことを意味する。
ジョンソン氏は、特別委の調査について、「私を追い出そうとしている」と腹立たしげに非難した。
これに対して特別委は、ジョンソン氏が下院の「高潔さを攻撃している」とした。
そして、「常に手続きと下院の権限に従った」とし、12日にも速やかに報告書を公表する予定だとした。
ジョンソン氏は怒りに満ちた辞職声明で、このプロセスは「いかさま裁判の定義そのもの」だと述べた。
8日に報告書の草案を受け取ったジョンソン氏は、「間違いだらけで、偏見の臭いがぷんぷんする」と主張した。
ジョンソン氏は3月の公聴会で、特別委に証拠を提出した際、議会を誤解させたことは認めつつ、意図的なものではなかったと主張した。
証言でジョンソン氏は、ロックダウン中に開かれた首相官邸の集まりでは、社会的距離は「完璧には」守られていなかったと認めた。しかし、一連の集会は「必要な」仕事のイベントで、そうした集まりは許されていたと述べた。その上で、ガイドラインは常に守られていたと自分は理解していると強調した。
「うそはついていない」
ジョンソン氏は9日に長文の声明で、特別委を厳しく批判。「私はうそはついていないし、委員会も内心ではわかっているはずだ」と述べた。
さらに、特別委の目的は「最初から、事実に関係なく、私を有罪にすること」だったとした。
「議会を去るのはとても悲しいことだ。少なくとも今のところは」とし、政界復帰の可能性を否定しなかった。
「何よりも私は、(労働党議員の)ハリエット・ハーマン氏が議長を務め、運営する委員会によって反民主主義的に、このようにひどい偏見で強制的に追い出されることに困惑し、がくぜんとしている」
ジョンソン氏は、自分を「排除」することが、自分に反対する一部の人による「ブレグジット(イギリスのEU離脱)への復讐、そして最終的には2016年の国民投票の結果を覆すために必要な第一歩」なのだとした。
ジョンソン氏の辞職により、同氏の選挙区「アックスブリッジおよびサウス・ライスリップ」で補欠選挙が実施されることとなる。

画像提供, Getty Images
最大野党・労働党のアンジェラ・レイナー副党首は、「この終わりのない、保守党のソープオペラ(メロドラマ)」だと非難した。
野党・自由民主党のデイジー・クーパー副党首は、「せいせいする」と述べた。
スコットランド国民党(SNP)のマイリ・ブラック下院議員は、ジョンソン氏は「押される前に飛び降りた」とし、「彼の背中を見て残念に思う人は、スコットランドには1人もいないだろう」と付け加えた。
一方で、プリティ・パテル元内相は、ジョンソン氏の首相としての、ウクライナやブレグジットをめぐる問題への取り組みを評価。「政界の大物」と呼んだ。







