ボルトン元米大統領補佐官を起訴 第1次トランプ政権で解任、批判に転じる

白い髪と口ひげを生やしたボルトン氏が前方を見ている。黒っぽい上着とストライプのシャツ、赤系のネクタイ、メガネを着用

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画像説明, ボルトン氏は、2019年に第1次トランプ政権で大統領補佐官を解任された。以降、トランプ大統領を強く批判している

第1次ドナルド・トランプ政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務め、その後、トランプ大統領を強く批判するようになったジョン・ボルトン氏(76)が16日、連邦法違反の罪で起訴された。

司法省はこの日、メリーランド州の大陪審に起訴を求めた。大陪審は、起訴に十分な証拠があると判断した。

ボルトン氏は、無実を主張する声明を発表した。

ボルトン氏をめぐっては、連邦捜査局(FBI)が8月、機密情報の取り扱いに関する捜査の一環として、同氏の自宅とオフィスを捜索していた

トランプ氏と政治的に対立する人物に対しては、ここ数週間、訴追が相次いでおり、ボルトン氏で3人目。同氏は裁判で、数十年の禁錮刑に処される可能性がある。

メリーランド州グリーンベルトの裁判所に提出された全26ページの起訴状によると、ボルトン氏は、国家防衛情報(NDI)送信罪8件とNDI不法保持罪10件に問われている。

検察はボルトン氏について、個人的な電子メールやメッセージアプリを使い、国防に関する最高機密情報を違法に送信したと主張。「これらの文書には、将来の攻撃、外国の敵対者、外交政策関係について明らかにする情報があった」とした。

有罪とされれば、ボルトン氏は各罪状で最高10年の禁錮刑に処される。同氏は17日に当局に出頭する見通し。

パム・ボンディ司法長官は、今回の起訴を発表する声明の中で、「法の上に立つ者はいない」とした。

日記内の記録に目をつけたか

一方、ボルトン氏は、法廷において自らの「合法的な行動」を弁護するのを楽しみにしていると声明で表明。トランプ氏について、「私への報復」を求めていると非難した。

そして、「彼(トランプ氏)は司法省を武器にして、敵とみなす人たちを、以前ならはねつけられたり事実をねじ曲げたりしている罪状で起訴させており、このたび私がその最新の標的になった」とした。

ボルトン氏の弁護士のアビー・ローウェル氏は、ボルトン氏が45年にわたる公務員のキャリアの中でつけていた日記の記述が、今回の起訴につながったと説明。「歴史上多くの公職者がそうであったように、ボルトン大使も日記をつけていた。そのことは犯罪ではない」、「(記録されていたものは)非機密扱いで、近親者のみと共有されていた。FBIはそのことを2021年時点で知っていた」とした。

米CNNによると、ボルトン氏は問題となっている情報を、妻と娘と共有したとされる。同氏のメリーランド州ベセスダの自宅では、「ボルトンの国家安全保障担当補佐官時代の日記のような書き込み」などが「印刷され保存されていた」という。

「悪いやつ」とトランプ氏

ボルトン氏は2019年に、第1次トランプ政権の大統領補佐官を解任された。2020年に出版された同氏の回顧録「The Room Where It Happened」(それが起きた部屋)では、トランプ氏を地政学に疎い大統領として描いた。

ホワイトハウスは、この本には機密情報が含まれており、内容が適切に吟味されていないとして、出版差し止めの訴訟を起こした判事は訴えを退け、本は数日後に発売された。

司法省はその後、ボルトン氏がこの本の中で特定の情報を開示し、機密情報を誤って扱った疑いがあるとして捜査に乗り出していた。

トランプ氏は16日、ボルトン氏の起訴についてホワイトハウスで記者団から質問されると、知らなかったと返答。それでも、ボルトン氏について「悪いやつ」とコメントした。

ボルトン氏は、ジョージ・W・ブッシュ政権で国連大使を務めた。今年1月、トランプ氏に批判的な元政府高官らがシークレットサービスの警護対象から外された際には、その1人となった。

9月以降で、トランプ氏を批判する高位公職経験者が刑事訴追されたのは、ボルトン氏が3人目。

トランプ氏は当時、「これ以上遅らせることはできない。私たちの評判と信頼性が損なわれている」とソーシャルメディアに書き込んだ。