トランプ米政権、ボルトン前補佐官の著書出版差し止め求め提訴

John Bolton (file photo)

画像提供, AFP

画像説明, ボルトン氏は2018~2019年にトランプ大統領の補佐官を務めた

米司法省は16日、ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が在任中のことを書いた新著をめぐり、出版の差し止めを求めて提訴した。

訴状によると、ボルトン氏の本には「機密情報」が含まれている。

「The Room Where It Happened」(それが起きた部屋)という題の回顧録は、今月23日に発売が予定されている。

ドナルド・トランプ大統領は15日、ボルトン氏が出版に踏み切った場合、「犯罪問題」に直面するだろうと述べていた。

<関連記事>

トランプ氏は15日、「大統領である私との間の会話は、すべて重要機密だという認識だ」と記者団に話した。「つまり(ボルトン氏が)本を書いてそれが出版されれば、それは法律違反だ。犯罪問題になる」と述べた。

一方、非営利団体の米自由人権協会(ACLU)は、「ジョン・ボルトンの本の出版を阻止しようと、トランプ政権がどれだけがんばっても、失敗するはずだ」と述べた。

ボルトン氏の弁護士チャールズ・クーパー氏は、訴状を検討しており、「しかるべき時に対応する」と話した。

「最高機密」の削除を拒む

ボルトン氏の著作をめぐっては、「最高機密」の詳細が含まれているとして、政府が1月に削除を要求。ボルトン氏はこれを拒んだ。

著作には、今年初めの大統領弾劾裁判の核心だった「ウクライナ疑惑」に関する内容が含まれるという。

その中には、トランプ氏がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、ジョー・バイデン前米副大統領と息子ハンター氏についての汚職捜査を始めるよう圧力かける目的で、軍事援助を停止したとする項目も含まれるとされる。

トランプ氏がウクライナの大統領に電話をした昨年7月の時点で、バイデン氏は民主党の大統領候補になる最有力とされていた。今では、秋の大統領選でトランプ氏と争うのが確実となっている。

トランプ氏はこの疑惑を一貫して否定。与党・共和党が多数派の上院で2週間にわたって開かれた弾劾裁判で、無罪評決を受けた。弾劾裁判では証人は1人も呼ばなかった

ボルトン氏は2018年4月にトランプ政権のスタッフとなり、翌年9月に辞職を発表した。これに対しトランプ氏は、ボルトン氏がトランプ氏に「強く」反対したため解任したと説明した