ロンドン警察、ジョンソン首相に追加罰金科さず 官邸パーティー問題

Boris Johnson

画像提供, Reuters

英ロンドン警視庁は19日、新型コロナウイルス対策のロックダウン中に首相官邸などの政府機関で数々のパーティーが開催されていた問題に関する捜査を終了した。これを受けて首相官邸は、ボリス・ジョンソン首相が今後、この件で罰金を科されることはないと告げられたと発表した。

ジョンソン氏の妻キャリーさんも、2回目の罰金を受けることはないという。

ロンドン警視庁は19日、首相官邸などでのパーティー問題について捜査を終了したと発表した。2020年5月~2021年4月までに行われた集まりのうち、対象としていた8件について、罰金対象は計83人、126件に上った。

ジョンソン首相はこのうち6件の集まりに参加していたことから、さらに罰金を課せられるとみられていた。

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ジョンソン政権をめぐっては昨年末以降、パンデミック対策で屋内での集まりが制限されていた時期に、首相官邸を含む政府機関で複数の「飲み会」やクリスマスパーティーが開かれていたことが相次いで発覚。アメリカの「ウォーターゲート」事件をもじって「パーティーゲート」と呼ばれている。

警察は捜査の中で写真510枚に加え、監視カメラの映像や電子メール、建物の出入りの記録、日誌、目撃者の証言などを分析した。

また、集まりの参加者に送付した質問状204件の回答も分析した。

イギリスの公務員トップのサイモン・ケイス内閣官房長は捜査後、罰金対象にならなかったと、消息筋がBBCに明らかにした。

ケイス官房長は昨年12月にパーティーゲートの政府内調査を任されたものの、同時期に自らのオフィスでもパーティーが開かれていたことが発覚したため、調査を主導する立場から身を引いていた

内部調査はその後、スー・グレイ第二事務次官が引き継ぎ、今年1月に調査報告書の「途中経過」を発表。対象となった16の会合のうちのいくつかは「開催を認めるべきではなかった」とし、問題の背景に「指導力の欠如」があると指摘した。

警察の捜査が終了したことで、来週にもグレイ氏の報告書の全容が明らかになる見通し。

ジョンソン首相の今後は

与党・保守党の一部の議員は、グレイ氏の報告書が発表された段階で判断を下したいと述べていた。

BBCはこれまでに20人の議員が、保守党の党首選を実施する権限をもつ「1922年委員会」に首相不信任の書簡を提出したことを確認している。書簡が54人分集まると党内で不信任投票が行われ、不信任案が可決されれば保守党の党首選が開かれる。

ジョンソン首相はまた、パーティー問題をめぐって議会をミスリードする発言をしていた疑惑で、議会の特別委員会の調査の対象となっている。イギリスでは、議会で閣僚がわざとうそをついたり、議会をミスリードした場合、辞職・解任理由になる。ミスリードとは、議会に虚偽の情報を事実であるかのように提示し、誤った方向へ導くことを意味する。

最大野党・労働党のサー・キア・スターマー党首は、100件を超える罰金件数が「官邸で起きた大規模な違法行為」を示していると批判。辞任を求める姿勢は変わらないと述べた。

スターマー党首をめぐっては、北部ダラムで昨年4月に開かれたイベントに出席した際、地元選出議員の事務所でカレーを食べてビールを飲んだことが当時の新型コロナウイルス対策に違反した疑いがあるとされており、すでに警察が捜査に着手している。スターマー党首は、この件で自分が罰金対象になった場合には、党首を辞任するとしている。

野党・自由民主党のサー・エド・デイヴィー党首は、「グレイ氏の報告書全文を今すぐ遅滞なく公表し、ジョンソン首相の嘘について議会による調査を開始すべきだ」と述べた。

「ジョンソン氏がパーティーを開いている間、国民は大きな犠牲を払った。国民は真実の全容を知る権利がある」