アメリカとイスラエル、イランを攻撃と発表 「大規模な戦闘作戦」が進行中とトランプ氏

建物が立ち並ぶ市街地の奥で白い大きな煙が上がっている

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画像説明, イランの首都テヘランで大きな煙が立ち上る様子が確認された
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アメリカとイスラエルは28日、イランへの攻撃を実施したと発表した。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、「大規模な戦闘作戦」が進行中だと自らのソーシャルメディアで説明。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相も、「存亡の危機を排除する作戦に着手した」と述べた。イスラエル軍は、イランから報復のミサイルが発射されたとしている。

イランのファルス通信は、テヘラン、イスファハン、コム、カラジ、ケルマーンシャーの各都市で爆発音が聞こえたと報じた。

BBCは、テヘランのジョムホリ広場とハッサン・アバド広場の上空に煙が立ち上っている画像を確認している。

動画説明, テヘランで大きな煙が立ち上った
街中で髪の長い人が大股で移動している。近くで他の人たちも歩いている。バイクが数台とめられてる。商店らしき場所はシャッターが下ろされている

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画像説明, テヘランで爆発音が響くなか足早に移動する人々

トランプ氏は、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に8分間のビデオを投稿。その中で、イラン攻撃にアメリカが関わっていると認め、「私たちは相手側のミサイルを破壊し、ミサイル産業を壊滅させる。(中略)完全に消滅させる」と述べた。

トランプ氏はさらに、「私たちは繰り返し合意を目指した。努力した」と主張し、イランについて、「核計画の再構築を試み、ヨーロッパの良き友人や同盟国、駐留米軍を脅かし、近いうちにアメリカ本土に到達し得る長距離ミサイルの開発を継続しようとした」と批判した。

そのうえで、「この極めて邪悪で過激な独裁政権がアメリカを脅かすのを防ぐ」ため、「大規模な」作戦を実施していると述べた。

ダークスーツ姿でUSAの文字が書かれた白い野球帽をかぶったトランプ氏が、大統領印領のついた演台に向かい、マイクを前に演説している。背後には米国旗などがある

画像提供, Donald Trump/Truth Social

画像説明, イランへの攻撃実施を発表するトランプ氏。動画がトゥルース・ソーシャルに投稿された

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相も声明を発表。「イスラエルとアメリカは、イランのテロリスト政権がもたらす存亡の危機を排除するため、作戦に着手した」とした。

また、トランプ氏を「私たちの偉大な友人」と呼び、「歴史的なリーダーシップ」に感謝するとした。

ネタニヤフ首相はさらに、イランの宗教指導者による政権は47年間、「イスラエルに死を」、「アメリカに死を」と叫び続けてきたと主張。「この政権は我々の血を流し、多くのアメリカ人を殺害し、自国民を虐殺してきた。この殺人的なテロ政権が核兵器を手にし、人類全体を脅かすことを許してはならない。私たちの共同での行動こそが、勇気あるイラン国民が自らの運命を自らの手で切り開くための条件をつくり出す」とした。

イスラエル軍は、「先ほど、イランからイスラエルに向けて発射されたミサイルが確認され、国内の複数の地域で警報が鳴らされた」と発表。「現在、イスラエル空軍は脅威を取り除くため、必要に応じて脅威を阻止し攻撃する作戦を実施している」とした。

イランの空爆があったとされる都市を示す地図。テヘラン、イスファハン、コム、カラジ、ケルマーンシャーの各都市の位置が示されている

バーレーン国営通信BNAは、同国にある米海軍第5艦隊のサービスセンターが「ミサイル攻撃の対象となった」と、バーレーン国家通信センターの発表を引用するかたちで伝えた。攻撃がどの国によるものかは説明していない。

バーレーンでは爆発が確認されている。同国の内務省は、緊急サイレンが鳴らされたとソーシャルメディア「X」で警報を発令。住民に対し、安全な場所への避難を呼びかけている。

アメリカとイランは26日、スイス・ジュネーヴで、イランの核計画をめぐる間接協議に臨んだ。仲介するオマーンの外相は、「大きな進展」があったとしていた。

しかし、トランプ氏は27日、イランを攻撃するかの「最終決定」はしていないと述べつつ、核協議におけるイランの交渉姿勢には「満足していない」としていた。

アメリカとイスラエルは数十年にわたり、イランが秘密裏に核兵器の開発を試みていると非難してきた。これに対しイランは、核兵器の保有を目指している事実はないとし、自国の核計画は平和目的だと主張している。ただ、イランは核兵器を保有していない国としては唯一、兵器級に近い濃縮度までウラン濃縮を行っている。

イランの核施設の地図。研究施設、原子力発電所、ウラン鉱山、ウラン転換施設、ウラン濃縮施設、未公表の核関連活動があった場所が示されている

トランプ氏がイラン空爆の可能性を最初に警告したのは、イランで先月、治安部隊が反政府デモを残忍に弾圧し、数千人を殺害したことがきっかけだった。しかしその後、トランプ氏の関心はイランの核計画へ移っている。

アメリカはここ数週間、兵士数千人と、トランプ氏が「艦隊」だとする部隊を中東に派遣してきた。これには、空母2隻などの軍艦、戦闘機、空中給油機が含まれる。

アメリカは昨年6月にも、イスラエルによるイラン空爆作戦に加わる形で、イラン国内の核関連施設3カ所を攻撃している

イランはこれまで、いかなる攻撃にも、中東やイスラエルにある米軍の資産を攻撃して対抗すると警告している。

イラン政府は、BBCなど外国の報道機関に対してビザ(査証)発給を拒否することが多い。このため、各国の報道機関がイラン国内の状況について情報を収集する能力は、大きく制限されている。