トランプ氏、イランへの「限定的軍事攻撃」を検討と 核合意迫る

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バーンド・デブスマン・ジュニア記者(米ホワイトハウス)、カチェラ・スミス記者
アメリカのドナルド・トランプ大統領は20日、イランの核開発を制限するための合意をイラン側に迫るため、限定的な軍事攻撃を検討していると述べた。
イラン攻撃の可能性については、米当局者が先に言及していた。トランプ氏は記者団の質問に答えるかたちで、実際に軍事攻撃を検討していることを明らかにした。
トランプ氏は前日19日の時点では、イランの核開発をめぐって同国と進めている協議について、合意に達するか、それともアメリカが軍事行動に出ることになるかは、「今後おそらく10日以内に」明らかになるだろうと述べていた。アメリカはここ数週間、中東における軍事プレゼンスを強化している。
アメリカと欧州の同盟国は、イランが核兵器の開発に動いていると疑っているが、イランはこれを一貫して否定している。
アメリカとイランの当局者は先に、スイス・ジュネーヴで核などをめぐり協議し、進展があったと述べていた。
こうした中、イランのアッバス・アラグチ外相は20日、イランは「合意案の草案」を準備しているところで、数日以内にアメリカのスティーヴ・ウィトコフ特使に手渡すつもりだと述べた。
ジュネーヴでの間接協議は、米軍がイラン周辺でプレゼンスを強める中で行われた。
アメリカは世界最大の軍艦とされる「ジェラルド・R・フォード」を中東に派遣したとみられる。
同地域には駆逐艦、戦闘艦、戦闘機のほか、米海軍の空母「エイブラハム・リンカーン」も展開されている。
一方、イランが軍事施設を強化している様子も、衛星画像から確認されている。
同国の最高指導者アリ・ハメネイ師は、米軍を脅すメッセージをソーシャルメディアに投稿。「米大統領は、イランに向けて軍艦を派遣したとしょっちゅう言っている。もちろん、軍艦は危険な軍事装備品だ」、「だが、その軍艦よりもっと危険なのは、その軍艦を海底に沈めることのできる兵器だ」などと書いた。

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トランプ氏は週に数回、主に大統領執務室や大統領専用機内で長時間にわたり記者の質問に答える。こうした場での発言は、必ずしも具体的な行動につながるわけではなく、発言同士が矛盾することも多い。
トランプ氏は、敵になり得る相手に自分の次の動きを悟られないよう、自分の意図を自分自身とごく少数の側近の間だけでとどめておくようにしているのだと、しばしば記者団に語っている。
20日に軍事行動の可能性について記者から問われた際には、「それについては話さない」ときっぱり回答を拒否し、「我々は合意を成立させるか、どういう形にしても合意を得るつもりだ」と述べた。
仮に作戦が実施されるとしても、トランプ氏はこれまでのところ、具体的な軍事目標について明言していない。米政府関係者が、数週間に及ぶ可能性のある作戦について幅広い選択肢をトランプ氏に提示したとも報じられている。
トランプ氏は過去にも、期限を設定して「不意打ち効果」を狙ったことがある。
昨年6月にイランの核施設を空爆した「ミッドナイト・ハンマー作戦」の際も、ホワイトハウスは公には、イランとの協議成功の可能性に言及していた。
同作戦の前日、ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官はトランプ氏の声次の声明を読み上げていた。「近い将来、イランとの交渉が行われるかはわからないが、今後2週間以内に(軍事行動を)行うか行わないかを判断する」という内容だった。
近い将来、イランへの攻撃が行われるなら、それがどんな攻撃でも、トランプ政権にとっては国内的に厳しいタイミングといえる。複数の世論調査では、トランプ氏の移民や経済の問題への対応を支持しない国民が増加傾向にあるという結果が出ている。
数週間にわたるイランとの衝突は、昨年の1日限りのイラン攻撃や、今年1月のヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領拘束とは状況が異なる。他国との厄介なもつれに終止符を打つという、トランプ氏の選挙公約に期待していたMAGA(アメリカを再び偉大に、の頭文字)支持層の一部が離れていく恐れがある。











