英官邸のクリスマスパーティー、官房長が調査退く 本人のオフィスでもパーティー

画像提供, PA Media
イギリスで厳しいパンデミック対策が敷かれていた昨年12月に、首相官邸で数十人のクリスマスパーティーが開かれていた問題で、事実関係を調査していた内閣官房長が17日、調査から身を引いた。同時期に自らのオフィスでもパーティーが開かれていたことが発覚したため。
イギリスの公務員トップ、サイモン・ケイス氏は、ボリス・ジョンソン首相の指示を受け、昨年11から12月にかけて首相官邸と教育省で開かれた複数の集まりが、感染対策のルールに違反していたかを調査していた。数日中にも調査結果を公表すると見られていた。
しかし17日に政治情報ウエブサイト「グイド・フォークス」が、ケイス氏のオフィスでも昨年12月17日にパーティーが開かれていたと伝えた。これを受けてケイス氏は同日、調査から退いた。
首相官邸は同日、調査はレベルアップ・住宅・コミュニティー省のスー・グレイ第二事務次官が引き継ぐと明らかにした。
官邸報道官は、「現在の調査が国民の信頼を確実に維持できるよう、内閣官房長は今後の調査から自ら身を引いた」と説明。グレイ氏が「事実関係を判断し、調査結果を首相に報告」することになるという。
BBCの取材によると、昨年12月17日にケイス氏のスタッフのためのクリスマス・クイズが官邸近くの政府庁舎内にある内閣官房のオフィスで開かれた。約15人に送られた招待状には「クリスマス・パーティー!」と書かれていたという。15人全員が参加したかは明らかになっていない。
飲み物やおつまみも
政府報道官は取材に答えて、「内閣官房オフィスで2020年12月17日、スタッフがバーチャル・クイズに参加した」と説明。「パンデミックを通じて内閣官房で働き、当日も出勤していた少数のスタッフは、それぞれのデスクから参加した。そのほかのスタッフはオンラインで参加した」という。
報道官によると、「官房長はこのイベントに関与していないが、自分の執務室に向かう際、スタッフのオフィスを通過した」という。
「外部の人は招いていないし、出席もしていない。集まりは1時間ほど続き、参加者が飲み物やおつまみを持ち込んだ。官房長はオフィスを離れる前に短く、スタッフに言葉をかけている」
最大野党・労働党のアンジェラ・レイナー副党首は、そもそもケイス氏が最初に昨年の一連のパーティーについて調査するよう指示された際、内閣官房でのクリスマスパーティーについて自ら明らかにしなかったのは、「非常に残念だ」と述べた。さらに後任のグレイ氏は、「信頼回復のため大きな責任」を負うことになったと指摘した。
レイナー氏はさらに、厳しい感染対策で屋内の集まりやクリスマスパーティーが禁止されていた昨年のこの時期、複数の省庁でパーティーが開かれていたのはもはや「風土病」のような問題だとした上で、政府全体にそうした空気をもたらしたのはジョンソン首相だと指摘。首相の監督責任を問題視した。

<分析> ニック・アードリー政治担当編集委員
果たして感染対策のルール違反はあったのか、この調査はそれを解明するためのものだった。調査で事実関係がはっきりすれば、政府は次へ進めると、大勢が期待していた。
しかしそれどころか、問題は不穏な音を立てながら続く。問題が次々と発覚し、挙句には事実調査の役目を与えられていた人のオフィスさえ、やり玉に挙げられた。
政府にとっては、きわめて恥ずかしい事態だ。内閣官房長にとっても。この調査において、自らの利益が相反するように見える事態になってしまったのだから。
ジョンソン首相にとっては波乱の数週間だった。そして今や与党・保守党は不安に揺らいでいる。それが今の全体像だ。
たくさんの問題が相次いだ。首相に近い下院議員の汚職疑惑と対応の不手際。記録的な数の与党議員による下院採決での造反。200年近く保守党のものだった盤石な議席での敗北。そして政府・官庁街で相次ぐクリスマス・パーティー疑惑。
今年の保守党にとって、クリスマスはあまり楽しい季節にはならなさそうだ。そして、事態を落ち着かせるため、首相には新年にかけて今一度かなり身を引き締めてもらいたいと、多くの保守党議員は願っているはずだ。












