ジョンソン英首相、官邸で昨年クリスマスにオンラインクイズに参加

A photo of Boris Johnson next to two other people in an office

画像提供, The Sunday Mirror

画像説明, 昨年12月にジョンソン英首相と側近2人がオンライン・クイズに参加したという

イギリスで厳しいパンデミック対策が敷かれていた昨年12月に、ボリス・ジョンソン英首相が首相官邸で、スタッフ相手にオンラインで行われたクリスマス・クイズに参加していたことが明らかなった。英紙サンデー・ミラーが11日深夜に伝えた報道内容を、官邸が認めた。

サンデー・ミラーは11日、官邸職員を対象にした昨年12月15日のオンライン・クイズにジョンソン首相も参加した際の写真を報道した。スタッフ2人も首相と同じテーブルを囲んで同席していた。スタッフの1人は赤いサンタ帽をかぶり、もう1人はクリスマスの飾りに使うキラキラした「モール」を首に巻いているのが分かる。

イギリスのクリスマスでは、集まった家族や友人、同僚などがお互いにさまざまな内容のクイズを出し合うのが、ならわしとなっている。

官邸によると、首相は昨年、官邸でのクリスマス・クイズに「わずかな間」だけ参加し、パンデミック中に「懸命に働く」官邸スタッフをねぎらったのだという。

官邸報道官はサンデー・ミラーが掲載した写真について、「これはバーチャルなクイズだった。首相官邸のスタッフは当時、パンデミック対策に関する仕事のため出勤しなくてはならないことが、しばしばあった。そのため、仕事のためオフィスにいたスタッフは、各自のデスクからこのクイズにオンラインで参加したかもしれない」と説明した。

官邸関係筋はBBCに対して、ジョンソン首相の左右に映っているスタッフは首相の側近で、オンライン通話の操作を手助けするため同席していたと話した。

当時のイギリスでは、同居人以外が屋内で集まることが厳しく制限され、職場のクリスマスパーティーは禁止されていた。その最中の昨年12月18日に首相官邸で数十人のクリスマスパーティーが開かれていたという問題が、このところイギリス政界を揺るがしている。

動画説明, 英政界揺るがす官邸クリスマスパーティー問題 笑うスタッフの動画で首相謝罪

最大野党・労働党のアンジェラ・レイナー副党首は、ジョンソン氏は「この国の指導者としてふさわしくない」と批判した。

「ボリス・ジョンソンは本当に、自分には自分だけのルールがあり、それ以外の人には別のルールがあると信じている」とレイナー氏は言い、「官邸は繰り返し、パーティーがあったことを否定しているものの、今となっては複数のパーティーや集まりがあり、首相はにぎやかなクイズに参加していた」と述べた。

昨年12月15日当時、ロンドンは感染警戒区域(ティア2)に含まれていた。その規則では、特定の支援「バブル」の相手を除き、複数の世帯が屋内で集まることが禁止されていた。屋外での集まりは最大6人までだった。

当時の公式な感染対策ガイダンスは、「業務上の例外はあるものの、社交が一義的な目的の場合、職場でクリスマス・ランチやパーティーを開いてはならない。住所地のティアがそれを許可している場合は、パーティーは認められる」という内容だった。

与党内の反発

昨年12月18日に首相官邸でクリスマスパーティーが開かれていたと、英タブロイド紙デイリー・ミラーが今月1日に報道して以来、連日の報道や野党、さらには一部の与党・保守党議員の追及を受け、ジョンソン政権は防戦を強いられている。

官邸は10日、今年のクリスマスパーティーを中止すると発表。新型コロナウイルスの感染対策に集中するためと説明した。

英政府の公務員トップ、サイモン・ケイス内閣官房長は現在、昨年11月27日と昨年12月18日に首相官邸で開かれたスタッフの集まり、さらに昨年12月10日に教育省で開かれたスタッフの集まりについて、事実関係を調査している。

官房長官によるこの調査は、昨年12月22日に官邸記者会見室で当時の報道官たちが「官邸で開かれたとされるクリスマスパーティーについて」想定問答を練習し、笑いながら回答を準備している様子の動画が報道されたのを受け、ボリス・ジョンソン首相が8日に指示した。

この動画流出を受けて、当時の首相報道官で最近は気候変動対策会議担当の首相顧問だったアレグラ・ストラットン氏が8日、辞任した

昨年のパーティーについて国内の批判が高まる中、ジョンソン政権は8日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の流行を防ぐため、イングランドの行動制限を強化する「プランB」を発表。下院が14日にもこれを採決する予定だが、与党・保守党内ではすでに下院議員約60人が政府に造反する見通しとなっている。

「プランB」には、屋内でのマスク着用義務の強化や在宅勤務の奨励、ナイトクラブなど大勢が集まる施設では入場時にワクチン接種証明の提示を求めるなどの対策が含まれる。

一部の保守党議員はワクチン接種証明の提示などに反対している。一方、野党・労働党は政府の「プランB」を支持しているため、法律として成立する見通し。

イギリスでは11日、オミクロン株の新規感染者633人が報告された。ただし、オミクロン株に特徴的な変異を検出できる検査機関が限られていることもあり、実際の人数はこれよりはるかに多いとされる。

一方、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の報告によると、「プランB」以上の行動制限を実施しなければ、イギリスでは来年1月にオミクロン株がかなり流行する見通し。感染症の予想モデル作成の専門家たちは、現在から来年4月までの間に、イギリス国内でオミクロン株のために2万5000~7万5000人が死亡する可能性があるとしている。