WHO、年末行事の一部中止を呼びかけ 「人生のキャンセルよりまし」

Dr Tedros Adhanom Ghebreyesus

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画像説明, WHOのテドロス事務局長

世界保健機関(WHO)は20日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株が世界に拡大する中、公衆衛生を守るために年末年始の休暇予定の一部をキャンセルするよう人々に求めた。

WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、「イベントのキャンセルは人生が取り消される(キャンセル)よりましだ」とし、「難しい決断」をしなければならないと付け加えた。

「これは場合によっては、イベントの中止や延期を意味する」

さらに、いまや「デルタ株よりも(中略)オミクロン株の方が断然速いスピードで広がっているという一貫した証拠」があるとした。

各国は現在、オミクロン株への対応に追われている。

11月に南アフリカで初めて検出されたオミクロン株は、WHOの「懸念される変異株」に指定されている。

テドロス氏は何と

テドロス氏は20日の記者会見で、「私たちは皆、このパンデミックにうんざりしている。誰もが友人や家族と一緒に過ごしたいと思っているし、元の生活に戻りたいと思っている」と述べた。

「それを実現するための最短の方法は、私たち全員が、指導者も個人も誰もが、自分と他人を守るためにしなければならない、つらい決断をすることだ」

「これは場合によっては、イベントの中止や延期を意味する。(中略)いまお祝いをして後で悲しむよりも、いまキャンセルして後で祝う方がいい」

また、2022年半ばまでに世界のすべての国で、人口の70%に対するワクチン接種が可能になれば、パンデミックは2022年中に終わらせられるだろうと強調した。

2019年に新型ウイルスの流行が始まったとされる中国については、関連するデータと情報を提供する必要があるとした。

「我々は新型ウイルスの起源が分かるまで調査を続ける必要があるし、そうするためにさらに推し進める必要がある。将来、もっと適切に対処できるよう今回起きたことから学ばなければならないからだ」

動画説明, 年末年始のイベント中止は「人生のキャンセルよりまし」 WHO事務局長

こうした中、WHOの主任科学者ソミヤ・スワミナサン氏は20日、初期の証拠から、オミクロン株の症状がほかの変異株より軽症だと結論付けるのは「賢明ではない」と述べた。

「感染者が増えれば、あらゆる医療制度に負担をかけることになるだろう」と、スワミナサン氏は警告した。

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各国の対応

フランスやドイツなど多くの国は、オミクロン株の拡大を食い止めるため、感染対策の制限を強化し、渡航制限を導入している。オランダは年末年始に厳格なロックダウンを敷いている

一方で米ホワイトハウスは20日、ジョー・バイデン大統領には「国を閉鎖する」計画はないと発表した。同国の感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士は先に、クリスマス休暇中の旅行はオミクロン株をさらに拡大させると警告。ワクチン接種を完了している人の間でも広がる恐れがあるとしている。

米疾病対策センター(CDC)と米国務省は、スペイン、フィンランド、チャド、レバノンなど8つの国と地域への渡航を控えるよう米国民に勧告した。

新型ウイルス感染症COVID-19への感染リスクが「非常に高い」国や地域を示すCDCの「渡航警戒レベル4」には、カリブ海のオランダ領ボネール島やサンマリノ、英領ジブラルタルも追加された。

複数の専門家は、アメリカでは現在、オミクロン株が主流になっていると指摘している。

他方、ボリス・ジョンソン英首相は20日、オミクロン株への感染が急増する中、イングランドに新たな規制を導入する「可能性を残す」必要があると述べたが、追加の制限は発表しなかった。

ロンドンのサディク・カーン市長は、公共の安全を守るため、トラファルガー広場での大みそかのイベントを中止すると発表した。