追加接種、オミクロン株による重症化を80%以上防ぐ 英研究チーム

ミシェル・ロバーツ保健編集長、BBCニュースオンライン

Omicron

画像提供, Getty Images

イギリスの研究チームは16日、新型コロナウイルスワクチンのブースター(追加免疫)接種でオミクロン変異株による重症化を約85%防ぐことができるとする分析結果を公表した。

ブースター接種で獲得できるオミクロン株への防御効果は、これまでの変異株に対するものよりもやや低いという。それでも、追加接種によって多くの人が入院せずに済むということを意味する。

英インペリアル・コレッジ・ロンドンの研究チームが公表したモデリングは、オミクロン株に関する限られた情報をもとに行われた。

研究者たちは急速に拡大するオミクロン株について、実世界における情報がさらに集まるまでは不確実性は高いままだとしている。

オミクロン株に感染した場合、どれほど軽く済むのか、あるいは重症化するのか、専門家たちは解明しようとしている。

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オミクロン株による重症化を約85%防ぐ

ワクチン接種は新型ウイルス感染症COVID-19との闘い方を体に覚えさせるのに役立つが、既存ワクチンは大きく変異しているオミクロン株を標的に作られてはいない。

これを解決するために、イギリスではブースター接種を受けて抗体レベルをさらに高めることが奨励されている。

抗体はウイルスに付着し、ウイルスが細胞に侵入して複製するのを防ぐ。

複数の研究では、ワクチンを2回接種すると、抗体がウイルスを排除する能力が20倍から40倍低下することが示唆されている。

インペリアル・コレッジ・ロンドンは予備的研究から、オミクロン株に対するワクチンの有効性が低下すると推定している。

ブースター接種を行ったとしても、オミクロン株による重症化を防ぐ効果は80%~85.9%程度だ。一方で現在イギリスで主流となっているデルタ株に対しては、97%程度の効果がある。

しかし、免疫系にもともと備わっているT細胞(リンパ球の一種)なども、新型ウイルスと闘うことはできる。今回の研究では、T細胞などの影響については判断できなかった。

Omicron

さらデータ必要と

インペリアル・コレッジ・ロンドンの研究チームに参加するアズラ・ガニ教授は「これまでの変異株と比べてオミクロン株による症状がどれくらい重症化するのか、これははっきりしないままだ」と述べた。

「この点を完全に理解するには数週間かかるかもしれないが、あり得る影響を緩和するため、各国政府は今から計画を立てておく必要がある」

「広範な公衆衛生対策の一環として、ブースター接種を提供することが重要だと、我々の研究結果が示している」

英ワクチン・タスクフォースのトップだったクライヴ・ディクス博士は、「モデリングによるこれらの推定には不確実な要素が非常に多く残されている。入院患者やICU(集中治療室)で治療を受ける患者、死者の数といった現実世界のデータを、もう1カ月分得られて初めて、ブースター接種がオミクロン株にもたらす影響について確信が持てるようになる」と述べた。

「現在も将来的にも、全世界にワクチンを届ける必要があることに変わりはない」

BBCのロバート・カフ統計主任は、オミクロン株で大事な問題は、どれほど重症化し、医療システムにどれほどの負担をかける可能性があるのかだが、その答えはまだ出ていないと指摘する。

omicron PCR

こうした中、イギリスでは16日に86万1306回分の3回目の接種が行われた。1日の接種回数としては過去最多だった。

ボリス・ジョンソン英首相は、同国の成人の半数がブースター接種を受けたことになると説明した。

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