イギリスの新規感染者、2日連続で過去最多 医療トップ「追加接種で収まる可能性」

画像提供, PA Media
イギリスで16日、新型コロナウイルスの1日の新規感染者が8万8376人となり、2日連続で過去最多を更新した。
英政府によると、新規感染者数は前日15日の7万8610人をさらに上回り、1週間前(9日、5万867人)から約3万人増加した。
16日に確認された、陽性判明後28日以内の死者は146人だった。
イングランドの主任医務官クリス・ウィッティー教授は、「信じられないほどの速さで」感染が増える可能性があるが、その一方でオミクロン株の感染の波はこれまでの新型ウイルス感染のピークよりも素早く収まるかもしれないと述べた。英下院の保健・公的介護委員会で発言した。
教授は、あくまでも可能性の話だと前置きした上で、大勢がブースター(追加免疫)接種を受けたり、あるいはオミクロン株に感染することで、感染の増加スピードは減速するだろうと付け加えた。
さらにウィッティー氏は、市民が慎重に行動しても、オミクロン株への感染は「非常に速い」スピードで増加するだろうと述べた。それでも、ブースター接種プログラムは「より正常な軌道」に戻るための手段だとした。
ただ、オミクロン株にワクチンが予想していたほど効かないなど、事態が間違った方向へ向かっていることが明らかになった時には、政府が常に見直しを行うとした。
さらに、今後出現が予想される新型ウイルスの新たな変異株については、ワクチンや抗ウイルス薬が対策の主役になるだろうと述べた。
教授はその上で、状況は半年ごとに改善し続けるはずだと見通しを示した。
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イギリスは12日、オミクロン株の拡大を受けて来年1月末までに全成人に提供するとしていたブースター接種の提供を加速させると発表。16日には74万5183回分の3回目の接種が行われた。
同国がオミクロン株の拡大に直面する中、ボリス・ジョンソン英首相は国民に「注意」を促している。
一部の与党議員からは、政府が飲食などの接客業について「実質的なロックダウン」を実施していると非難する声が上がっている。これについて首相は、イングランドで密かにロックダウンを実施しているのではないと強調しながら、国民に慎重な行動を求めた。
こうした中、エリザベス女王は伝統的なクリスマス前の昼食会をキャンセルした。
ウェールズ自治政府は27日の法的規制の実施に先立ち、クリスマス期間中にむけて、迅速なウイルス検査「ラテラルフロー検査」など2段階の新型ウイルス対策計画を導入している。
この計画には全てのナイトクラブの閉鎖やオフィスでの2メートルの社会的距離の確保、顧客とスタッフを守るための措置などが含まれる。

英健康安全庁(UKHSA)の首席医療顧問スーザン・ホプキンス博士は下院議員に対し、現在オミクロン株への感染で15人が入院していると述べた。ウィッティー教授は、実際の感染者ははるかに多いはずだと指摘した。
ホプキンス氏によると、オミクロン株に関する信頼できるデータが得られるのは、早くてもクリスマスから新年にかけての間になる。また、オミクロン株の入院患者が約250人に達しなければ、重症度に関する完全な調査は行えないという。
その他の動きは次の通り――。
- オミクロン株が経済を失速させる恐れがある中、金利が3年ぶりに上昇
- リシ・スーナク英財務相はオミクロン株の影響を懸念する企業と会談するため、訪米日程を短縮
- イギリスの新型ウイルスワクチン接種の優先対象者に妊婦が追加される
- 感染者の増加を受け、フランスはイギリスからの入国者に対する制限措置を強化
- スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は「感染リスクの高い」分野に対する規制強化は回避できないかもしれないと警告
- ウェールズ自治政府は拡大するオミクロン株への対策について検討
- イギリスの学校は来学期からオンライン学習に切り替える用意をしている
- イギリスでは大規模な国家的研究の一環として、自宅で服用する新型ウイルス感染症COVID-19の経口治療薬「モルヌピラビル」を患者に提供
- サッカーの英イングランド・プレミアリーグでさらに4試合が中止された
ホスピタリティー分野は、オミクロン株の影響で予約のキャンセルが相次いでいるとして、政府からの支援を求めている。
スーナク財務相は接客業界にとって「困難な時期」であることを認めつつ、今の状況は「我々がこれまで行ってきたことや遭遇してきたこととは全く異なる」と述べた。そして、政府は市民に何かをキャンセルしたり、事業を閉鎖したりするよう指示はしていないと付け加えた。
最大野党・労働党は、今後数週間、市民にどのように行動してほしいのか明確に示すよう政府に求めている。












