韓国の李大統領がトランプ氏と会談 称賛で批判かわす

大統領執務室の黄色いアームチェアに並んで座る李氏とトランプ氏。共にダークカラーのスーツに赤いネクタイを着け、同じ方向を見て微笑んでいる。

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画像説明, ホワイトハウスで会談する韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領とドナルド・トランプ米大統領(25日)

ジーン・マッケンジーBBCソウル特派員、コー・ユーBBC記者

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は25日、米首都ワシントンを訪問し、ホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領と会談した。この直前には、トランプ大統領が自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した内容が波紋を広げたが、会談は波乱なく終了した。

しかし会談では、トランプ大統領が北朝鮮に言及し続けた。李大統領はトランプ氏をしきりに持ち上げたが、通商や防衛問題ではあまり成果が見られなかった。

報道陣に公開された会談の冒頭で、李大統領はホワイトハウスの新たな内装をほめたほか、トランプ氏が北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)総書記と築いている個人的な関係を称賛した。

李氏は南北朝鮮関係について、「前進させられるのは大統領、あなただけです」と言い、「もしあなたがピースメイカー(平和を作る人)になるなら、ピースメイカーになるあなたを私が支えます」と強調した。

また、北朝鮮にトランプタワーを建てて、ゴルフができるようにするべきだとも冗談として述べた。

トランプ氏も、北朝鮮の金氏との関係は良好で、「適切な将来」に直接会談する予定だと話した。

トランプ氏は第1次政権の2019年、金氏と北朝鮮と韓国を隔てる非武装地帯(DMZ)で面会するなど、関係確立を強調していた。しかし少なくとも、トランプ大統領が今年1月にホワイトハウスに復帰して以降、北朝鮮側からトランプ氏に関する発言は一切確認されていない。

北朝鮮と韓国の境界線に立ち、ネイビーのスーツに赤いネクタイを締めたトランプ大統領が、両手でジェスチャーをしながら話している。その横には、黒いボタンアップのスーツを着た金正恩総書記が、両手を横に置いて厳粛な面持ちで立っている

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画像説明, トランプ氏は第1期の任期中、金氏と3回会談している。写真は2019年撮影

駐韓米軍を縮小する可能性については、トランプ氏は記者の質問をかわし、韓国はアメリカによる朝鮮半島の防衛に対して十分な貢献をしていないという、従来の主張を繰り返した。

トランプ氏は、アメリカは韓国に4万人以上の兵士を駐留させており、両国は非常に良好な軍事関係を築いていると指摘。そのうえで、韓国にある「巨大な軍事基地」の土地をアメリカが所有することを望んでいると述べた。

一方、会談の話題が貿易に移ると、トランプ氏は「アメリカと韓国は互いに必要としている」と語り、「我々は韓国の製品が好きだ。船も好きだ。韓国が作る多くのものが好きだ」と述べた。

さらに、韓国は石油と天然ガスを必要としており、アメリカがそれを韓国に輸出すると話した。

アメリカは7月、韓国に15%の相互関税を課している。

会談直前のトランプ氏の発言

トランプ氏は会談の数時間前にトゥルース・ソーシャルに、「韓国で何が起きているのか?」、「粛清か革命か」と書き込んだ。

また、会談前にも大統領執務室で記者団に対し、韓国政府は「教会を強制捜査」し、「非常に悪いことをした」と述べた。「韓国の新政権がこの数日、教会に対しとても残酷な強制捜査をした(中略)さらに我々の軍事基地にまで入って情報を収集したと聞いた」とも話した。

自分の投稿や発言が具体的に何を指すのか、トランプ氏は明らかにしなかったが、昨年12月の非常戒厳危機の余波や、および現政権と検察が進めている尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領その妻、前政権関係者への捜査を批判するものにも受け止められた。

これは韓国政府関係者にとって最悪のシナリオだった。これらの捜査をめぐっては、韓国の極右勢力や、一部のアメリカ人が強く反発している。そのため、李氏がホワイトハウスで、右派の陰謀論について弁明を強いられる可能性があった。

しかし会談が始まると、トランプ大統領はこの問題を取り上げたものの、すぐに軽く受け流した。

李氏もトランプ氏をしきりに称賛し、2月のウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領や、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領がホワイトハウスで経験した事態を回避した。

記者から韓国当局による教会への強制捜査に関する発言について問われたトランプ大統領は、「情報機関」から聞いた話だが「韓国らしくないように思えた」と述べた。

そして李氏に向き直り、この問題について発言するかどうかを尋ねた。

李大統領は、尹前大統領の事件からそれほど時間がたっていないことが、韓国で政治的危機を引き起こしていると説明。特別検察チームが現在、「事実確認」を行っていると述べた。

また、「米軍基地を直接捜査したわけではなく、基地内にある韓国部隊を捜査した。後ほど詳しく説明する」とトランプ氏に述べた

これを受けてトランプ大統領は、「うわさ」は「誤解だった」可能性が高いとし、きっと「うまく解決」するだろうと話した。

大韓航空、米ボーイング機購入を発表

胴体を水色に塗られた旅客機が、夜の滑走路に停泊している。機体には青い文字で「KOREAN(韓国)」と書かれている

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米航空大手ボーイングと大韓航空は26日、航空機103機に関する約360億ドル(約5兆3200億円)の契約を発表した。両社の共同声明によると、契約には787型機、777型機、737型機の旅客機が含まれている。

大韓航空の趙源泰(チョ・ウォンテ)社長は、新型機の導入は「重要な時期」に行われるだろうと説明。同社の機材を近代化し、アシアナ航空との統合に向けて競争力を維持するものだと述べた。

航空機の発注は以前から予定されていたもので、今年3月には韓国政府が、大韓航空がボーイングおよび米航空機エンジン大手GEエアロスペースとの契約をまとめつつあると発表していた。GEとの137億ドル規模の契約もこの日、発表された。

また、韓国の自動車大手・現代(ヒュンダイ)自動車グループもこの日、アメリカへの投資額を210億ドルから260億ドルに引き上げると発表した。

同社はさらに、アメリカ国内に年間3万台のロボットを生産可能な新施設を設置する計画を明らかにした。