ウクライナ、投降のウクライナ兵をロシアが射殺と非難 検察が捜査

ウクライナ東部ドネツク州アウディイウカ。ウクライナ兵はこの村の近くで射殺されたとされる

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画像説明, ウクライナ東部ドネツク州アウディイウカ。ウクライナ兵はこの村の近くで射殺されたとされる

ロシアが侵攻を続けるウクライナで、投降したウクライナ兵2人をロシア兵らが殺害した場面とされる映像が浮上し、ウクライナ検察当局が捜査を開始した。同当局が3日、発表した。

ウクライナ検察当局によると、映像には「ロシアの軍服を着た集団」が、武器を持たないウクライナ人に至近距離から発砲する様子が映っているという。

検察当局は、戦争捕虜の殺害は戦争に関する国際法と慣習に対する「重大な違反」だと説明。公判前の捜査を開始したと述べた

この映像については、第三者による検証ができていない。ロシアはコメントしていない。

昨年2月にロシアがウクライナを侵攻してから、、捕虜の扱いなどを定めるジュネーヴ諸条約に相手が違反していると、双方は互いを非難している。

ウクライナ検察当局によると、発砲があったのはウクライナ東部ドネツク州ステポヴェ村の近く。映像については、誰がいつ撮影したのか、検察は明らかにしていない。

付近の町アウディイウカの占領をロシア軍は目指しており、この地域ではここ数週間、激しい戦闘が続いている。アウディイウカは、ロシアが支配する州都ドネツクのすぐそばに位置し、ウクライナが拠点にしている。

ウクライナ軍は3日に声明を発表。「ロシアの行動を非難し、侵略国の軍事指導者を裁く」よう国際社会に求めた。

映像に何が映っているのか

粗い映像は2日、テレグラムのウクライナのチャンネル「DeepStateUA」で公開された。

同チャンネルによると、ロシア軍がウクライナ軍の第45ライフル大隊の陣地を占拠し、ステポヴェ村の近くでウクライナ兵2人を射殺した。2人は弾薬が尽きて降伏したという。

映像には、投降したウクライナ兵1人が地下壕(ごう)から出てくるところとされる場面が映っている。投降兵は両手を頭の上に置いている。

その後、この兵士が地面にうつ伏せになっている様子が映っている。続いて、2人目のウクライナ兵が壕から出てくる。どちらのウクライナ兵も武器を持っているようには見えない。

このわずか数秒後、ロシア兵とされる人々がウクライナ兵2人に発砲し、ともに殺害したことが映像からわかる。

BBCは、この映像が本物か確認できていない。

ウクライナ東部の地図

ウクライナ軍のオレクサンドル・コリム氏は、射殺された2人は自分と同じ部隊の所属だと話した。

アウディイウカの軍事行政当局トップのヴィタリー・バラバシュ氏は3日、発砲した者らは後にウクライナの攻撃で「始末された」されたと、ウクライナのフリーダムTVチャンネルに話した。

両氏とも、自らの主張を裏付ける証拠を示していない。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4月、ウクライナ兵がロシア兵に斬首されたとされる映像が浮上した際、世界の指導者たちに対し、対応を取るよう求めた

ロシアは当時、映像について「ひどい」とする一方、中身の真偽と、背後にいる人物を確認する必要があると述べていた。

ウクライナは3月、丸腰のウクライナ兵が殺害されたことが映像からわかるとして、ロシア兵らを非難した。映像でウクライナ兵は、たばこを吸って「ウクライナに栄光あれ」と叫んだ後、射殺された。

ロシアは昨年末、ウクライナ軍がロシア兵の捕虜集団を処刑したと非難した。これは、ウクライナ東部の前線で多数の兵士が投降し、その後に死亡したとみられる映像が浮上したのを受けたものだった。これについてウクライナ当局者は、投降はロシア軍による「演技」で、ウクライナ兵を攻撃するためのものだったと主張した。