チャットGPTにブラウジング機能が追加、最新データの取得可能に 誤情報への懸念も
アントワネット・ラドフォード、ゾーイ・クラインマン・テクノロジー編集長、BBCニュース

画像提供, Reuters
米「オープンAI」は27日、同社が開発した対話型AI(人工知能)「チャットGPT」について、インターネットのブラウジング機能を追加することを認めた。これまでは2021年9月までのデータしか学習していなかったが、最新情報も取得可能になる。
今回の動きによって、一部のプレミアム・ユーザーがチャットGPTに時事問題について質問をしたり、ニュースにアクセスしたりできるようになる。
オープンAIは、こうした機能は間もなくすべてのユーザーに解放されるとしている。
同社は今週初めにも、近いうちにユーザーとの音声対話が可能になると明らかにしていた。
チャットGPTのようなシステムは、膨大な量のデータを使用し、ユーザーの問いに対して説得力のある、人間のような応答を作成する。
これらは、人間がオンライン上で情報を検索する方法を劇的に変えると予想されている。
ただ、チャットGPTの「知識」はある時期で時が止まったままだった。データベースは2021年9月時点のインターネット上のコンテンツから引き出されたもので、リアルタイムでインターネットを閲覧できなかったためだ。
例えば、トルコで最後に地震が起きたのはいつなのか、ドナルド・トランプ前米大統領はまだ生きているのか、などをチャットGPTの無料版に尋ねると、「申し訳ありません、リアルタイムの情報は提供できません」という反応が返ってくる。
最近の出来事について答えられないことが、一部の潜在的ユーザーにチャットGPTが敬遠される理由になっていた。
「こうした機能や能力がなかったら、グーグルやツイッター、あるいは自分の好きな報道機関にアクセスする必要があっただろう。いまでは、最新ニュースやゴシップ、時事の情報源として(チャットGPTを)扱える」と、ユニバーシティ・コレッジ・ロンドン(UCL)のビジネス心理学教授、トーマス・チャモロ=プレムジク氏は言う。
「つまり、検索エンジンや報道機関に寄せられていた質問や問い合わせの多くを、これ(チャットGPT)が吸収してくれるということだ」
しかし、このプラットフォームを使って検索する場合は、もろ刃の剣になり得るとも付け加えた。
「切迫した、どうしても聞きたい質問への迅速な回答を得るという点では、良いことだと思う」としつつ、出典が不明なまま、チャットGPTを通じて提供される情報は誤解を招く恐れがあると警告した。
「信頼できるかたちで情報源が記載されていないのなら、世の中に存在するものを単に寄せ集めただけなのなら(中略)情報の正確性に関する懸念が生じる。(チャットGPTで)得た情報が信頼できるものではないのに、信頼できるものと思い込んでしまうので」
情報の正確性は
オープンAIはすでに、チャットGPTが偽情報を生成するリスクをめぐり、米規制当局の監視下に置かれている。
米連邦取引委員会(FTC)は7月、米マイクロソフトの支援を受けたオープンAIに書簡を送り、人々の評判に対するリスクにどう対処しているのか情報提供を求めた。
これに対し、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は、同社はFTCと協力すると述べた。
チャットGPTでこれまで、インターネット検索ができなかったのには多くの理由がある。まず、コンピューティング・コストがあげられる。オープンAIには、質問1回ごとに数セントのコストがかかると、しばしば言われる。
しかしもっと重要なのは、データが限られていることで貴重なセーフティネットを提供できるということだった。
チャットGPTは、質問に対して、インターネット上にたまたま新しくアップロードされた有害あるいは違法な内容を、受け売りすることはなかった。
政治や医療に関する判断についても、悪質な人が仕込んだ誤情報を流すこともなかった。そのようなより最新の内容にアクセスできなかったからだ。
ユーザーが最新情報を検索できるようになるまで、なぜこれほど時間がかかったのか、チャットGPTに尋ねたところ、三つの回答が返ってきた。
まず、言語モデルの開発には長い時間とリソースを消費するということ。リアルタイムのデータを使用すると、不正確な情報が含まれる可能性があること。そして、リアルタイムの情報、とりわけ著作権で保護されたコンテンツに許可なくアクセスすることには、プライバシーや倫理的懸念があるということだった。
チャットPTの新機能は、AI分野が直面している巨大なジレンマを見事に浮き彫りにしている。真に有用なものにするには、ガードレールを外すか、少なくとも緩める必要がある。しかし実際にそうすれば、テクノロジーはより危険なものとなり、悪用される可能性が高まる恐れもある。










