「ゲーム・オブ・スローンズ」作者ら、米オープンAIを提訴 チャットGPTの学習で著作権侵害と
トム・ガーケン、リヴ・マクマン、テクノロジー記者

画像提供, HBO
米作家のジョージ・R・R・マーティン氏やジョン・グリシャム氏らが、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の訓練で自分たちの著作権が侵害されたとして、運営する米「オープンAI」を相手に裁判を起こした。
マーティン氏は、米HBOの番組「ゲーム・オブ・スローンズ」としてドラマ化されたファンタジー小説シリーズ「氷と炎の歌」などで知られる。
チャットGPTなどの大規模言語モデル(LLM)は、インターネットなどに存在する大量のデータを分析して「学習」する。
今回の訴訟で作家らは、チャットGPTを賢くするために、自分たちの著作が無断で使われたと主張している。
一方、オープンAIは、作家の権利を尊重していると説明。「作家らもAI技術から利益を得るべきだ」との考えを表明している。
訴訟には、ジョナサン・フランゼン氏、ジョディ・ピコー氏、ジョージ・ソーンダーズ氏ら、他の著名作家も原告側として名を連ねている。
<関連記事>
提訴したのは、著名作家らを代表する米業界団体「作家協会」。ニューヨーク・マンハッタンの連邦裁判所に訴状を出した。
訴状ではオープンAIについて、「大規模な組織的窃盗」に関わっていると非難している。
同様の訴訟は、米コメディアンのサラ・シルヴァーマン氏が7月に起こしている。また、カナダ人作家のマーガレット・アトウッド氏とイギリス人作家のフィリップ・プルマン氏も、AI企業に著作の使用に対して補償するよう求める公開書簡に署名。同月公開した。
オープンAIの広報は、「私たちは作家協会を含む世界中の多くのクリエイターと、生産的な対話をしている。そうした人たちのAIに関する懸念を理解し、議論しようと協力している」、「今後も双方に有益な協力の方法を見つけられると楽観している」と述べた。
AIが「人間に取って代わる」
訴訟で原告側は、LLMが作家の許可なく、著作権で保護された書籍のデータを読み込んでいると主張。LLMが正確な要約を提供できることを、訴えの根拠の一部にしている。
今回の訴訟は、メディア業界における、より広い懸念も指摘している。この種のテクノロジーが「人間が執筆した」コンテンツに「取って代わっている」というものだ。
ロンドン大学シティ校で法律を研究するパトリック・グールド博士は、作家たちに同情はできるが、勝訴する可能性は低いだろうとの見方をBBCニュースに説明した。原告側がまず、自分たちの作品をチャットGPTが読み込んだと証明する必要があるという。
グールド博士はまた、「作家らが本当に心配しているのは著作権ではなく、AIが仕事を奪うことだ」とし、米ハリウッドで脚本家たちがAIに脚本を書かせることに反対しているのと似た話だとした。
「AIによる自動化と人間の労働力の代替という問題は(中略)著作権が解決すべきものではない」
「私たちがすべきは、国会や議会に行き、AIがいかに創造的な芸術を置き換えるか、そしてそれに対して私たちは今後何をすべきかを話し合うことだ」
チャットGPTなど「生成系AI」の開発者に対しては、これまでもいくつもの訴えがなされている。
デジタル・アーティストらは1月、テキストから画像を生成する「スタビリティーAI」と「ミッドジャーニー」に関して提訴。どちらも著作権で保護された芸術作品で学習することを前提に、機能するものだと主張した。
コンピューター専門家らのグループは、AI「コパイロット」の学習に自分たちのコードが許可なく使われたとして、オープンAIや米マイクロソフト、プログラミングサイト「GitHub」を訴えている。
いずれの訴訟もまだ解決には至っていない。










