トランプ氏が一般教書演説、経済を称賛しイランを威嚇 歴代最長

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は24日夜、連邦議会の上下両院合同会議で、施政方針を示す一般教書演説を行った。経済政策に多くの時間を割き、ホワイトハウスに戻って1 年で「歴史的な転換」を成し遂げたと自賛した。イランに対しては、核開発計画を進めないよう警告した。
アメリカでは今年11月、上下両院などを対象とした重要な中間選挙がある。最近の世論調査では、トランプ政権2期目の政策について、国民の支持が低下していることが示されている。
この夜の演説は、そうしたことを背景に行われた。
演説は約1時間50分にわたり、歴代最長を記録した。これまでは、2000年のビル・クリントン大統領(当時)による任期最後の一般教書演説が最長だった。
トランプ氏は冒頭、いつもの言い回しで演説をスタート。前政権から引き継いだ時には経済はひどい状況だったと批判し、「私たちの国は復活した」、「(アメリカは世界で)最も熱い(国だ)」、「私たちは実にうまくやっている」などと主張した。
そして、自らの経済政策を称賛。国民の所得は上昇し、株式市場は成長し、ガソリン価格は下がったと述べた。インフレが抑制されたと主張し、「私たちの国はまた勝っている」と強調した。
世界各国に対する関税措置については、引き続き推し進めていくと宣言した。昨年導入した関税については、連邦最高裁が今月20日、大部分を無効とする判決を出している。この判断についてトランプ氏は演説で、「がっかりする」もので「残念だ」と述べた。
この夜の議場の最前列には連邦最高裁判事らの姿もあったが、トランプ氏が判事らを直接非難することはなかった。判決で関税を大統領権限の逸脱だとした判事3人は、無表情でトランプ氏の演説を聞いていた。
BBCのアンソニー・ザーカー北米特派員は、トランプ氏の演説が関税に及んだ時の様子について、民主党議員らは不満の声を上げ、共和党議員らも心地悪そうに沈黙していたと報告。関税については共和党議員の多くも、経済への負担と、国民の間での不評が自らの選挙に悪影響を及ぼすことを心配しているためだと解説した。
ザーカー特派員はまた、この夜の演説でトランプ氏は新しい政策をほとんど提示しなかったと伝えた。
移民と対イラン政策
移民政策をめぐっては、トランプ氏は自分の政権が不法移民を減らし、南部国境地域の警備を強化させたとアピールした。
トランプ氏が「不法移民」を脅威だとすると、議場の共和党議員らからは大きな拍手が起こった。一方、民主党議員らからは怒りの声が噴出し、冷たい視線が投げかけられた。
トランプ氏は、連邦移民当局の職員によって米国民が射殺されたミネソタ州での取り締まりについては一切言及しなかった。世論調査では、この取り締まりは国民に不評だとされている。
核兵器開発をめぐって緊張関係が続くイランに関しては、トランプ氏は「外交によってこの問題を解決することを望んでいる」と主張。そのうえで、核開発計画を進めないようイランに警告した。
米軍はこのところ、中東地域で過去20年間で最大規模の戦力増強を進めている。イランに対する軍事攻撃の可能性が取り沙汰されているが、トランプ氏はこの夜、自らの考えを明確にはしなかった。
外交分野ではこのほか、ヴェネズエラで先月、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束した米軍の作戦をトランプ氏は称賛。自分の外交政策は「強さによる平和」だと強調した。
演説中、トランプ氏はやじを飛ばす野党・民主党の議員らとたびたび言い合いになった。
アル・グリーン下院議員は、「黒人はサルではない」と書いたプラカードを掲げ、議場から退出させられた。これは、トランプ氏が今月6日に自らのソーシャルメディアに投稿した動画で、アメリカ初の黒人大統領になったバラク・オバマ氏をサルのように描いたことに抗議したもの。
「解決策を示さなかった」と反論演説

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トランプ氏の演説の直後、民主党を代表して、アビゲイル・スパンバーガー・ヴァージニア州知事が反論の演説をした。
スパンバーガー知事は、三つの質問について考えてほしいと有権者に求め、「大統領は無理なく生活できる環境をつくろうとしているか」、「彼は米国民の安全を国内外で守ろうとしているか」、「大統領はあなたのために働いているか」と問いかけた。
そして、答えはすべて「否」だと主張。「大統領は今夜、彼がいつもしていることをした」、「うそを言い、スケープゴートをつくり、注意をそらした。私たちの国の差し迫った課題に対し、真の解決策を何も示さなかった。それどころか、その多くを自分で悪化させている」と批判した。











