アメリカで徴兵対象の男性を自動登録する計画が進行

迷彩服を着て銃器を手にした兵士3人が草むらで集まっている

画像提供, Getty Images

この記事は約 4 分で読めます

アメリカで早ければ年内に、若い男性が徴兵対象者として自動的に登録されるようになる可能性がある。自ら登録するという、数十年にわたって続いてきた制度が終了することになる。

政府機関の選抜徴兵局(SSS)が3月末、新しい制度案を行政管理予算局(OMB)傘下の情報・規制問題局に提出した。連邦議会下院は昨年12月、登録の自動化を支持する変更案を承認していた。

SSSのウェブサイトによると、今回の案では、アメリカ人男性は18歳になった時点で徴兵対象者として自動的に登録される。変更は今年12月までに実施する方針という。これまでは、18歳になった時から30日以内に自分で登録するよう求められていた。

アメリカでは現在、18~25歳の男性のほぼ全員が登録を義務付けられている。怠ると犯罪となり、法律上は連邦刑務所で禁錮5年の刑に処される可能性がある。

実際には刑が科されることはほぼないが、登録を怠った場合、連邦政府の学生向け財政支援や、連邦政府への就職の資格を失う可能性がある。登録を行わない非市民は、市民権取得の対象から外されることもある。

大多数の州と準州では現在、運転免許証の発行時に男性を自動的に選抜徴兵の対象者として登録している。

今回の案の支持者らは、自動登録にすることで、政府支出を何百万ドルも減らせると主張している。現在は毎年、18~25歳の男性に対し、登録が法律上の義務だと通知している。

新制度はまだ検討が続けられており、実施には情報・規制問題局の承認が必要。

アメリカで最後に徴兵が実施されたのは1973年だった。その年までの何年間かは、ヴェトナム戦争をめぐって大規模な抗議運動が起きた。

こうした制度や罰則規定にもかかわらず、政府のデータによると、2024年の登録順守率は81%まで下がっている。

こうした状況を背景に連邦議会は昨年末、米軍およびその世界的な活動への資金提供を認める2026年度「国防権限法」を可決。徴兵対象者の登録自動化への変更も、同法に含まれている。

強制的な徴兵制に向かうとの懸念

登録制度を変更させる動きは、国民の一部の間で、イランとの戦争が激化した場合や、危機が今後発生した場合に備えて、アメリカが強制的な徴兵制へと向かっているのではないかとの懸念を生んでいる。

ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は、3月上旬のFOXニュースのインタビューで、徴兵制や米軍のイラン地上展開の可能性を問われ、「現時点では計画の一部ではないが、大統領はこの件でも賢明に、あらゆる選択肢を残している」と答えた。

米政府は過去6回、戦時徴兵制を実施している。直近はヴェトナム戦争時で、約180万人が徴兵された。

その後、アメリカは1973年に完全志願制による軍へと移行。1980年になり、当時のジミー・カーター大統領が選抜徴兵の登録制度を復活させた。