米物流大手フェデックス、「トランプ関税」の「全額還付」求め米政府を提訴

フェデックスのロゴが入った白いトラックが、アメリカの都会を走っている。写真は車の後部にピントが合っていて、風景などはブレている

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レイチェル・クルーン・ビジネス記者

米物流大手フェデックスは23日、ドナルド・トランプ米大統領が昨年導入した緊急関税について「全額還付」を求める訴訟を起こした。

トランプ氏は昨年4月、1977年制定の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、高率の関税を多くの国に課したが、米連邦最高裁判所は今月20日、この大部分を無効と判断した。

これに伴い、関税導入以降に支払われた課税分について、企業が還付を求める道が開かれた。

フェデックスは訴状で、「原告は、自らがアメリカ合衆国に支払ったすべてのIEEPA関税について、被告から全額の還付を求める」と述べた。

同社は請求している具体的な金額は示していないが、被告として米税関・国境警備局(CBP)と同局のロドニー・スコット局長、そしてアメリカ合衆国を名指しした。

また、米国際貿易裁判所への提出書類で、自社が関税の支払いを担ってきたと述べ、その救済を求めていると記した。

フェデックスは23日夜に声明を発表。連邦最高裁の判断を受け、「輸入者としての権利を保護し、CBPから関税還付を求めるために必要な措置を講じた」と述べた。

BBCは、CBPにコメントを求めている。

24日には、民主党所属の連邦上院議員22人が、トランプ政権に対し、関税で徴収した全収入を利息付きで180日以内に全額還付するよう求める法案を提出した。

同法案では、還付手続きを監督することになるCBPに対し、中小企業への還付を優先するよう求めている。

いわゆる「相互関税」によって、トランプ政権は少なくとも130億ドル(約2兆円)以上の税収を追加で得たと推計されている。

最高裁の判断は、トランプ氏のIEEPA関税を違憲だとしたものの、還付について直接言及していない。

判断が公表された後、トランプ氏とスコット・ベッセント財務長官は、還付の問題は数年にわたり法廷で争われる可能性があると述べた。

20日の判断に先立っては、化粧品大手レブロン、アルミ大手アルコア、ツナ缶ブランドのバンブルビーを含む数百社が、還付を見越して訴訟を起こしている。

米会員制小売大手のコストコも昨年、先手を打ってトランプ政権を提訴した企業の一つ。訴状では、「IEEPAの文言には『関税』という語や、それと同等の意味を持つ語は使われていない」と指摘した。

トランプ氏は20日、1974年通商法の122条を用いた関税を導入する大統領布告に署名。同条は、全ての国からの品目に一時的な10%の新関税を課すことを可能にする。トランプ氏はさらに、その関税を15%に引き上げると発表している。