ブラジル大統領選、現職ボルソナロ氏とルラ元大統領が決選投票へ

画像提供, Reuters
ブラジル大統領選が2日、投開票され、左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ元大統領と現職で極右のジャイル・ボルソナロ大統領が、共に当選に必要な有効投票の50%以上を獲得できず、30日に決選投票が行われることになった。
ほぼすべての開票が終わった時点で、得票率はルラ氏が48%、ボルソナロ氏が43%と、事前の調査より接戦となった。
ブラジルの大統領選が1回目の投票で決まるのはきわめてまれで、前回は24年前だった。しかし今回は、ボルソナロ陣営もルラ陣営も1回目での勝利をつかめるとしていた。
ルラ氏は、汚職事件で有罪となり禁錮刑を受けていたため、前回の2018年大統領選には出馬できなかった。それだけに、復帰戦としては驚くべき得票率を得たことになる。
一方のボルソナロ氏も、世論調査ではルラ氏に大きく後れを取っていたものの、それが間違いだと証明するという自らの言葉がかなった形だ。
宿敵同士ともいえる間柄のルラ氏とボルソナロ氏は、選挙期間中に互いを非難する言葉を投げかけた。
投票日直前のテレビ討論会では、ボルソナロ氏は汚職を例に挙げてルラ氏を「泥棒」と呼んだ。ルラ氏は汚職事件で580日の禁錮刑を受けたが、後に判決が無効とされた。
そのルラ氏は、ボルソナロ氏を「狂人」と呼んだ。
こうした当人同士の緊張は当然、国民の間にも広まった。リオデジャネイロの街中では投票前の数日間、「ルラは泥棒だ」や「ボルソナロを追い出せ」といった怒鳴り声が交わされていた。
環境政策で大きな違い
両候補者はあまりに対照的なため、どちらが大統領になるかで、政策は大きく違ってくる。
ルラ氏はアマゾン熱帯雨林の保護を訴えている一方、ボルソナロ氏は熱帯雨林の一部は経済活動のために開発されるべきだと主張している。
ボルソナロ政権の間、森林伐採と森林火災は急加速した。気候変動活動家らは、同氏が再選すればこの地域は限界点を超えてしまうと警告している。
一方で、ルラ氏が政権を握っていた2003~2010年の間の環境保護対策も、完璧とは程遠かったと指摘する声もある。
それでも、環境保護活動家らはルラ氏を支持している。それに対してボルソナロ氏は、農業従事者や農業ビジネス業界から票と支持を得ている。
敗北を認めないことへの懸念
有権者の懸念はそれ以外にもある。多くの有権者が、高騰する食品価格によって貧困と飢餓が加速していることや、教育、格差などの面での是正を求めている。こうしたなかで、ボルソナロ氏は選挙活動中、自分を政権の座から降ろすことができるのは「神だけだ」と発言。同氏は敗北を認めないのではないかという懸念につながった。
ボルソナロ氏はさらに、ブラジルの電子投票システムが不正に対して無防備だと、証拠を示さずに主張した。
しかし、第1回投票が予想よりも好調だった今、同氏はこの投票で敗退した9人の候補者の支持者をどう集めるかに集中するとみられている。
一方のルラ氏は、障害を克服することに喜びを感じているようで、すでに「最後の勝利まで闘いは続く、それが我々のモットーだ」と宣言している。








