イスラエルが新たな「攻撃の波」開始を発表 イラン首都からは多数避難、「静まり返っている」と市民

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イスラエル軍は4日夜、イランの首都テヘランの軍事インフラを標的とした新たな「攻撃の波」を開始したと発表した。アメリカは同日、インド洋で米海軍がイランの軍艦を沈没させたと公表。米連邦議会では、ドナルド・トランプ大統領の戦争権限を制限する決議案が否決された。国連は、今回の紛争で多くの人々が避難を余儀なくされているとしている。イラン国民はBBCに、街が静まり返っていると話した。
イスラエル国防軍(IDF)は4日夜、「IDFは、テヘラン全域に存在するイラン政権の軍事インフラを標的に、追加の攻撃の波を開始した」とする声明を発表した。標的の具体的な場所は明らかにせず、追って詳細を発表するとした。
AFP通信は、テヘランで自社の複数の記者が4日夜に大きな爆発を目にしたと報じた。
IDFはこれよりも先、イランの司令センターが入るテヘラン東部の施設に対し「大規模な攻撃」を実施し、完了したと発表した。これらの施設には治安当局者たちもいたという。
イラン軍艦を沈めたと米国防長官
アメリカのピート・ヘグセス国防長官は4日の記者会見で、インド洋で米海軍の潜水艦がイランの軍艦を沈没させたと発表した。
ヘグセス長官は、イランの軍艦が「国際水域では安全だと思っていた」ようだと説明。「だが魚雷によって撃沈された」と述べた。軍艦名は明らかにしなかった。
これよりも先、スリランカ海軍は、インド洋でイランの軍艦「デナ」が沈没し、乗っていた約 140 人が行方不明になったと発表した。
スリランカ当局はこれまでに、80 人の遺体が発見され、32人が救助されたとしている。
一方、米連邦議会上院では4日、イランでの軍事行動継続を命令する大統領権限について、これを制限するための戦争権限決議案の採決があった。
採決の結果、賛成47、反対53で決議案は否決された。トランプ政権を支える与党・共和党と、それに反対する野党・民主党の議員らは、ほぼ全員がそれぞれの党の方針に沿って投票した。
下院でも同様の採決が5日に予定されている。
「通りは静まり返っている」とイラン国民
BBCペルシャ語は、アメリカとイスラエルの攻撃下にあるイランの人々に話を聞いた。
「サジャド」という名の男性は、西部の都市ウルミエで「これほどの攻撃の規模」がみられるのは「本当に衝撃的だ」とし、「事態がここまで行くとは、まず誰も想像していなかった」と話した。
彼によると、ほとんどの店が閉まっており、営業している店では食料品価格が上昇している。通りは静まり返っているという。
多くの人が「不安とストレス」を感じているものの、彼自身は、最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡したことで、「将来について前より希望を持つようになった」と話した。
首都で暮らす20代の女性は、「テヘランはとても空っぽな感じだ」と述べ、「家から外に出るのは、緊急の用事がある人だけだ。それ以外は、みんな家にいる」と話した。
彼女はヨーロッパ留学のため、昨日出発の航空券を持っていたという。「今では全ての計画が宙に浮いてしまい、少し悲しい」。
彼女によると、「(攻撃の)初日は人々がかけ声を叫び、みんな幸せそうだった」という。「でも今は警察が周りにいる。ほとんどの店は閉まっている。スーパーやパン屋は開いているが、一部のATM(現金自動預け払い機)は使えなくなっている」。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、中東とその周辺での軍事行動の激化により、人々の大規模な移動が発生していると発表した。
同事務所によると、今回の攻撃が始まってからの最初の2日間で、イランの首都テヘランからは推定10万人が街を離れたという。
レバノンでは、各地の集団避難施設に計約5万8000人が身を寄せているとみられる。
シリアでは2日、シリア人約1万人とレバノン人約1000人が、レバノンから国境を越えて入国したという。これは1日平均のほぼ3倍だという。
レバノンのメディアは、同国保健省からの情報として、首都ベイルートの近郊で4 日、イスラエル軍による空爆が2回あり、3人が殺害され、6人が負傷したと伝えた。空爆は国際空港に続く道路であったとされる。
カタールのシェイク・ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ外相は、イランのアッバス・アラグチ外相と電話で協議した。両者が話をするのは今回の紛争が始まって以降初めて。
関係者によると、カタール外相はイランを「近隣諸国に危害を加え、無関係な戦争に巻き込もうとしている」と非難。攻撃の「即時停止」を要求したという。
カタールなどアラブ諸国は、イランが近隣諸国に向けて数百発のミサイルやドローンを発射し、米軍基地だけでなく、民間人やエネルギーインフラにも被害を及ぼしていることに激しく怒っている。














