アッテンボロー氏が100歳に、英国王や著名人が祝福 ドキュメンタリー通じ自然保護訴える

庭の芝生の上に置かれたキャンプチェアにサー・デイヴィッドが座り、足元までやってきた野生の子キツネに手を差し伸べている。周囲には低木などが生えている

画像提供, BBC / Passion Planet Ltd / Gavin Thurston

画像説明, 2026年1月1日に放送された「ワイルド・ロンドン(ロンドンの自然)」では、大都市に住む野生動物にスポットを当てた
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イギリスの著名な動植物学者で、長年にわたり自然・環境ドキュメンタリー番組の制作・司会を務めてきたサー・デイヴィッド・アッテンボローが、8日に100歳を迎えた。英国王チャールズ3世をはじめとする王族やイギリスの多くの著名人らが、サー・デイヴィッドの誕生日を祝い、功績をたたえるメッセージを次々と発表した。また、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでは、100歳を祝う特別コンサートも開催された。

チャールズ国王とカミラ王妃は、インスタグラムの英王室の公式アカウントで、「サー・デイヴィッド・アッテンボローの100歳の誕生日を心からお祝いします。今晩の特別な祝賀を楽しんでください!」とメッセージを寄せた。

さらに、1958年に撮影された、幼いチャールズ皇太子(当時)とアン王女に、BBCのテレビ番組「ズー・クエスト」に登場したオウムのコッキーを紹介している様子の写真を含む、サー・デイヴィッドの写真をいくつか共有した。

白黒写真。スーツ姿の男性が、10歳前後の男の子と女の子の前にひざまずき、右腕に乗せたオウムを見せている

画像提供, PA Media

画像説明, 1958年にサー・デイヴィッドが、チャールズ皇太子(当時)とアン王女に、オウムの「コッキー」を紹介している様子

ベテランの放送作家で環境活動家でもあるサー・デイヴィッドは、誕生日に寄せられたメッセージに「完全に圧倒された」と話した。

また、「皆さん一人一人に個別に返信することはできないが、温かいメッセージを寄せてくれた全員に心から感謝したい。また、それぞれの地域で独自の催しを計画してくれた皆さんには、とても幸せな一日になることを願っている」と述べた。

気候分野でのリーダーシップと革新をたたえるアースショット賞の動画で、ウィリアム皇太子は、「デイヴィッド、100歳の誕生日おめでとう。あなたが100歳だなんて信じられない」と述べた。

ウィリアム皇太子はさらに、これまでのサー・デイヴィッドの支援に感謝を示すとともに、「あなたがすることのすべてが、今も私に刺激を与え続けている」と語った。

サセックス公爵ハリー王子も、Time.comへの寄稿で、サー・デイヴィッドを「世俗の聖人」と表現した。

「彼の最も重要な貢献は、気候問題が『どこか別の場所』で起きているという考え方を体系的に解体してきたことだ」とハリー王子は述べ、「若者たちは、自然の壮観さだけでなく、不安定な世界における連続性の感覚を求めて、彼の言葉に耳を傾け続けている」と語った。

蝶ネクタイを着けた正装姿のサー・デイヴィッドとチャールズ国王

画像提供, Getty Images

画像説明, サー・デイヴィッド・アッテンボロー(左)と同様、チャールズ国王も長年、環境保護活動に力を入れている

元イングランド男子サッカー代表でキャプテンを務めたサー・デイヴィッド・ベッカムは、アッテンボロー氏は「私たちの国宝」だと表現した。

俳優のサー・イアン・マケレンは、サー・デイヴィッドは「一般視聴者のために作られた真剣な番組」によって「BBCの最良の部分を体現している」と述べた。

「彼の熱意を伝える能力は非常に貴重で、本当に多くの人たちに大きな喜びをもたらしてきた」

「そして多くの人々と同様、私のお気に入りのテレビ番組はおそらく自然史ものだと思う」

アカデミー賞受賞歴のある作曲家ハンス・ジマー氏も祝いの言葉を寄せた。長編映画での幅広い成功にもかかわらず、「そのどれもが、デイヴィッド・アッテンボローのために働くことほど重要ではない。なぜなら、それは本当に、私たちの惑星の存在に関わることだからだ」と語った。

サー・デイヴィッドが岩壁に身を乗り出し、イグアナと向かい合っている
画像説明, サー・デイヴィッドは長年にわたり、数え切れないほどの動物と出会ってきた。写真は「リヴィング・ウィズ・ダイナソー」に登場するイグアナとサー・デイヴィッド

世界自然保護基金(WWF)は、サー・デイヴィッドの誕生日を祝うトリビュート動画を公開した。これには、俳優のデイム・ジュディ・デンチ、モーガン・フリーマン氏、ミランダ・リチャードソン氏、エイサ・バターフィールド氏、サム・ヒューアン氏、イワン・レオン氏に加え、元スパイス・ガールのジェリ・ハリウェル=ホーナー氏や、野生生物司会者のリズ・ボニン氏が参加した。

動画には、さまざまな動物の映像が盛り込まれ、ルイ・アームストロング氏の名曲「What a Wonderful World」の歌詞を、参加者らが朗読した。

ロンドン自然史博物館は7日、寄生バチの一種にサー・デイヴィッドの名を付けることで、同氏に敬意を表した。

「アッテンボローンクルス・タウ」と名付けられたこの種は、チリのパタゴニア地方の湖沼に生息しており、採集から40年を経て、最近になって博物館のコレクションの中から標本が見つかった。

サー・デイヴィッドの名は過去にも新種の学名に使われており、野生の花、チョウ、バッタ、恐竜、ゴーストシュリンプなどが含まれる。

BBCは1週間を通じて、特別番組編成でサー・デイヴィッドの生誕100年を祝ってきた。一連の特別行事と放送企画の締めくくりとして、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで8日夜に公演が催された。

BBCのケイト・フィリップス最高コンテンツ責任者は、サー・デイヴィッドの100歳の誕生日は「並外れた」節目だと述べ、同氏を「真に卓越した人物」だと表現した。

ホールのバルコニー席から立って観客にあいさつしているサー・デイヴィッド。右手に持った手紙を掲げている。周りでは参加者が笑顔で拍手している

画像提供, BBC/Andy Paradise

画像説明, ロンドンで行われた特別コンサートに出席したサー・デイヴィッド。手にはチャールズ国王からの手紙を持っている。右側に座っているのはウィリアム皇太子(8日)

サー・デイヴィッドは1926年5月8日、西ロンドンで生まれた。1952年にBBCに入局し、世界各地の野生生物を追うドキュメンタリー制作を手掛けた。また、「Life Collection」「The Trials of Life」「The Blue Planet」などの先駆的な自然史シリーズでも司会を務めてきた。

1997年に亡くなった妻ジェーン・エブズワース・オリエル氏との間に2人の子どもがいる。兄のリチャード・アッテンボロー氏(故人)は、アカデミー賞を受賞した俳優であり映画監督だった。