エリザベス英女王、議会の開会式を欠席へ 59年ぶり

ショーン・コラン王室担当編集委員

State Opening of Parliament, 2021

画像提供, Chris Jackson

画像説明, The Queen, seen at last year's State Opening of Parliament, will miss it for the first time in 59 years

イギリス王室バッキンガム宮殿は9日、エリザベス女王(96)が今年のイギリス議会の開会式に出席せず、演説を行わないと発表した。

女王は毎年、議会で新しい会期の開会を宣言するとともに、演説で政府の施政方針演説を読み上げることになっている。エリザベス女王がこの式典に出席しないのは59年ぶりとなる。

10日の開会式では、息子のチャールズ皇太子が「女王の演説」を読み上げる予定。

エリザベス女王は歩行に困難が生じており、公式行事への欠席が相次いでいる。

バッキンガム宮殿は9日夜まで、女王は議会の開会に出席したいと願っているとしていた。しかしその後、「一時的な歩行の問題」を理由に、女王が議事堂での式典に参加しないことを認めた。

声明によると、女王は医師の助言を受け、やむなく開会式の欠席を決めたという。

議会ではチャールズ皇太子と、皇太子の息子のケンブリッジ公ウィリアム王子が、女王の名代として開会を宣言する予定だ。

State Opening of Parliament, 2021

画像提供, Chris Jackson

画像説明, エリザベス女王は即位から70年の間、議会の開会式を2回しか欠席していない

議会の開会式でエリザベス女王がかぶる大英帝国王冠は、予定通り議会に持ち込まれる。一方、王座には誰も座らず、チャールズ皇太子とカミラ夫人、ウィリアム王子は議員らの目の前に座ることになるという。

女王は最近では、聖木曜日の礼拝を含むイースター(復活祭)の行事を欠席したほか、今年は夏季の王室のガーデンパーティーを主催しないことを明らかにしている。

今年に入って女王が参加した宮殿外での公務は、3月に行われた、夫のフィリップ殿下の追悼式典のみ。殿下は昨年4月に亡くなった。

しかし、首相や枢密院との会議など、電話やビデオ回線を通して行う他の行事や、個人的な会合には出席する予定だという。

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議会の演説で女王は、国家元首として政府の施政方針を読み上げる。今年、即位70年を迎えたエリザベス女王がこの行事を欠席したのは、妊娠していた1959年と1963年の2回のみ。

この時には、演説は財務大臣が読み上げた。しかし今年は、チャールズ皇太子が女王の代わりを務める。

ここ数年も、議会の開会式には変更が加えられていた。女王は重い大英帝国王冠やローブを着用せず、昨年は新型コロナウイルス対策で式典自体が縮小された。

今年の開会式では、チャールズ皇太子がウィリアム王子と共に、国家元首が病気などで公務を行えない場合の「臨時摂政」として議会の開会を宣言する。

女王の代理を務めるには、2人の臨時摂政が必要となる。

臨時摂政には他に、エリザベス女王の息子のアンドリュー王子と、チャールズ皇太子の息子のサセックス公爵ハリー王子が任命されている。しかしアンドリュー王子は未成年への性暴力疑惑を受けて王室の公務を引退ハリー王子も公務から引退してアメリカに在住している。

イギリスの首相官邸は声明で、「ボリス・ジョンソン首相は女王陛下の意向を全面的に尊重し、ウェールズ公(チャールズ皇太子)が代理で演説を読むことに感謝している」と述べた。