英米豪、極超音速兵器の開発でも協力 安保枠組み「AUKUS」の一環で

クリスティ・クーニー、BBCニュース

A hypersonic missile is launched as part of a test in Pyongyang, North Korea

画像提供, EPA

画像説明, 北朝鮮は昨年から今年にかけて極超音速ミサイルの発射実験を行っている。写真は1月5日に発射したとするミサイル

イギリス、アメリカ、オーストラリアは5日、3カ国による安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の一環として、極超音速兵器の開発などで協力すると発表した。

極超音速ミサイルをめぐっては、中国やロシアなどが開発を進めており、先月19日にはロシア国防省が、同国が侵攻を続けるウクライナで極超音速ミサイル「キンジャル」を使用したと発表した。発表が正しければ、ロシア軍が今回の侵攻でキンジャルを使ったのは初めて。

極超音速ミサイルは通常、弾道ミサイルよりも低い高度で、音速の5倍超の速度のマッハ5で飛行するため、地上のレーダーで検知することが難しい。

アメリカとオーストラリアはすでに、極超音速兵器を開発するための共同プログラムを立ち上げている。

現在、極超音速ミサイルを保有していないイギリスは、この新たな試みの焦点は防衛だと強調した。

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3カ国はイギリスが独自の極超音速兵器を開発する計画はないとしつつ、この新しいプログラムが将来的な極超音速兵器の開発の必要性を評価するのに役立つだろうとしている。

また、今回の発表はウクライナでのロシアの極超音速兵器の使用とは関係ないが、他国が極超音速兵器に投資しているという事実は、イギリスがどのように極超音速兵器から防衛するのかを検討しなければならないことを意味していると付け加えた。

Diagram showing arc of ICBM v hypersonic
画像説明, 大陸間弾道ミサイル(ICBM)と極超音速ミサイルの飛び方の違い。紫色が発射地点(Launch)から標的(Target)までの極超音速ミサイルの軌道、点線がICBMの軌道。オレンジ色の点がレーダーで検知できる地点

核弾頭を搭載できる極超音速ミサイル

2021年10月には、中国が同年の夏に2回、核弾頭を搭載できる極超音速ミサイルを試験発射していたことがわかり、米情報機関を驚かせた。

打ち上げについては英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)最初に報じた。それぞれのミサイルは低軌道で地球を一周した後、地球に戻った。2発目は目標からわずか約40キロ外れたところに落下したという。

このミサイルは、地球の部分軌道(低軌道)に兵器を投入し、相手が予期せぬ方向から標的を攻撃する部分軌道爆撃(FOB)システムと、極超音速滑空体を組み合わせたものとみられる。極超音速滑空体は、大気圏の外縁を滑空し、発射直後の検知が難しい。

この発射実験により、中国がこれまで考えられてきたよりもはるかに高度な宇宙開発能力を有していることが証明された。

北朝鮮も極超音速ミサイルの開発を進めていると主張している。

同盟国間の協力、重要性高まる

2021年9月に発表されたAUKUSは、インド太平洋地域における3国間安全保障条約。アメリカとイギリスがオーストラリアの原子力潜水艦の取得の支援が主な目的となっている。

このほか、サイバー能力や人工知能(AI)、量子技術、海中での追加能力に関する協力を深めることも含まれる。

今回の発表を受け、イギリスのスティーヴン・ラヴグローヴ国家安全保障顧問は、「3カ国の技術的な知識と能力を結集すれば、我々自身と同盟国やパートナーの安全を守るための膨大な成果をあげることができる」と述べた。

「ロシアのウクライナ侵攻を考慮すると、同盟国が協力して民主主義や国際法、世界中の自由を守ることはこれまで以上に重要といえる」