中国、極超音速ミサイルの試験発射を否定 英紙報道受け

Image shows DF-17 medium-range ballistic missiles equipped with a DF-ZF hypersonic glide vehicle, involved in a military parade to mark the 70th anniversary of the Chinese People's Republic

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画像説明, 中国は最近の軍事パレードで極超音速ミサイルとみられる兵器を公開した

中国が核弾頭を搭載できる極超音速ミサイルを今年夏に試験発射したと、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。中国当局は18日、通常の宇宙船実験だったとして、この報道を否定した。

FTは16日、匿名の関係者5人の話として、極超音速ミサイルが夏に発射されたと伝えた。宇宙空間の低軌道を飛んだ後、下降して目標をわずかに外れたという。

記事は、「この実験で、中国が極超音速兵器に関して驚異的な進歩を遂げており、米当局の認識を大幅に超えていることが示された」と説明した。

音速の5倍以上のスピードで飛ぶ極超音速ミサイルは、通常のミサイルと比べて大幅に速く、小回りが利くため、迎撃がより難しい。弾道ミサイル同様、核弾頭を搭載できる。

中国についてはこのところ、核兵器開発をめぐる懸念が高まっている。

FTの報道を受け、米政府は懸念を示した。米情報当局にとっては驚きだったとされる。

「防御方法がわからない」

中国外務省の趙立堅報道官は18日の記者会見で、再利用可能な異なるタイプの宇宙船の技術を検証するため、今年7月に通常の実験を実施したと述べた。

FTの記事は不正確かとの質問には、「そうだ」と答えた。

一方、アメリカのロバート・ウッド軍縮大使は18日、「とても憂慮している」と、スイス・ジュネーヴで記者団にコメント。米政府は「この技術の軍事転用を控えてきた」と述べた。

また、中国とロシアが「かなり積極的に」軍事利用を追求してきたとし、アメリカも「同様の対応を取らざるを得ない」とした。

「この技術に対し、どう防御していいのかわからない。中国もロシアも同じ状況だ」

米下院軍事委員会のマイク・ギャラガー委員(共和党)は先に、米政府が現行の対応を続ければ、10年以内に中国との新たな冷戦に敗れるだろうと主張した。

軍事力を誇示する中国

米中関係は緊張状態が続いている。中国はアメリカのジョー・バイデン政権について、敵対的だと批判している。

中国はこのところ、軍事力を誇示する動きを見せており、西側諸国が懸念を示している。

オーストラリア戦略政策研究所のマイケル・シューブリッジ氏は、極超音速ミサイルの試験発射があったとしたら、「核やその他の爆撃兵器の増強を拡大する動き」だろうと分析。中国は透明性を重視せずに兵器を進化させていると述べた。

中国は最近の軍事パレードで、極超音速ミサイルとみられる兵器を公開した。同ミサイルについては、中国のほか、アメリカやロシアなど少なくとも5カ国が技術開発を進めている。

北朝鮮は先月、新型の極超音速ミサイルの試験発射に成功したと発表した。7月にはロシアが同様の発表をしていた。その際には、同国北部の白海にいたフリゲート艦から発射したとした。