北朝鮮のミサイル実験、ICBM級と 日米韓が非難

画像提供, Reuters
アメリカ国防総省は10日、北朝鮮がこのほど、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)システムに関わる技術実験を行ったと発表した。韓国と日本の国防当局も同様の結論を出し、激しく批判している。
北朝鮮は2月26日と3月4日に、偵察向け人工衛星の開発に関連した発射を行ったと発表。しかし現在は、ICBM級と思われるミサイルの発射実験だったと述べている。
射程範囲が5500キロ以上のICBMを北朝鮮が発射した場合、アメリカに届く。ミサイルは核弾頭を搭載できるよう設計されている。
米国防総省のジョン・カービー報道官は10日、北朝鮮の2回の実験は「新型ICBMシステムに関連したものだ」と述べた。
また、どちらの発射でもICBM級の射程範囲や能力は見られなかったものの、「将来的に、宇宙への発射に偽装するなどして最大射程の発射実験を行う前に、新型システム検証」を目的とする、2回の実験が行われたもようだと指摘した。
「アメリカはこれらの発射を強く非難する。数々の国連安全保障理事会の決議を平然と破っているだけでなく、緊張感を高め、地域の安全保障状況を不安定化させている」
日本の防衛省も、「国際社会の平和と安全を脅かすもので、断じて容認できない」としている。
また韓国国防省は、2回の実験は、昨年10月の軍事パレードで朝鮮労働党がお披露目した「新たに開発されたICBMシステム」に関連するものだと指摘した。
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匿名取材を希望した米政府高官は、この実験を「深刻なエスカレーション」と表現し、11日から北朝鮮への制裁を強化すると述べた。
この制裁では、北朝鮮のミサイル開発に関わる「外国製品や技術」へのアクセスを制限する予定だという。
北朝鮮はすでに、ミサイルや核兵器開発に絡んで厳しい国際制裁を受けている。
同国は2017年以来、ICBMや核の実験を行っていないが、最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、再開の可能性を示唆している。
2019年のドナルド・トランプ前大統領と金総書記の会談以来、北朝鮮は長距離弾道ミサイルと核の実験をとりやめていた。しかし2020年には金総書記は、この約束にはもう縛られないと発言している。

<解説>ローラ・ビッカー・ソウル特派員
まただ。しかも、警告などなかったと、言うわけにはいかない。
北朝鮮はこの1年、以前より大きく高性能な兵器の実験を再開すると言い続けてきた。軍事パレードや展示会でも披露してきた。
これまでは、短距離ミサイルの実験を重ねることで、科学者に新技術を試させていたのだろう。しかし長距離のICBMの実験をしたとなると、アメリカも腰を上げて注目することになる。
なぜか? 2017年に北朝鮮が発射実験で示したように、ICBMはアメリカ本土を射程範囲に収めているからだ。
2017年に発射された「火星(ファソン)12」の射程距離は4500キロと、太平洋グアム島の米軍基地をその範囲に含んでいる。「火星(ファソン)14」の射程距離はさらに長く、8000キロとされている。
この射程範囲を持つ陸上発射ミサイルを持つのは、アメリカとロシア、そして中国だけだ。
金総書記は、近々「多くの人工衛星」を打ち上げると警告している。アメリカと韓国は、この打ち上げでICBMと同じ技術が実験されるとみるだろう。
アメリカの同盟国はすでに地域の監視体制を強化している。さらなる制裁も発表されるだろう。
韓国で新たな大統領が誕生し、北朝鮮への厳しい姿勢を明らかにした中、朝鮮半島では再び緊張感が戻っていくようだ。







