米ロ高官が会談、招かれず「驚き」とゼレンスキー氏 トランプ氏はもっと前に「取引できた」とウクライナを非難

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バーンド・デブスマン(フロリダ)、ジョージ・ライト(ロンドン)ヴィタリー・シェフチェンコBBCモニタリング・ロシア編集長
アメリカとロシアの高官による会合が18日、サウジアラビア・リヤドで開かれ、ウクライナでの戦争終結をめぐる協議が行われた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、自国が協議の場に招かれなかったのは「驚き」だと述べた。この発言に、ドナルド・トランプ米大統領は「失望した」とし、ウクライナを非難した。
トランプ氏は、フロリダ州の私邸マール・ア・ラーゴで記者団の取材に応じた。裏切られたと感じているかもしれないウクライナの人々へメッセージはあるかと、BBCの記者が尋ねると、ウクライナは交渉の場に自分たちの席がないことに「気分を害している」ようだが、「この3年間、そしてそれよりもずっと前から席はあった。(戦争は)かなり簡単に解決できていたはずだ」と述べた。
さらに、「そもそも(戦争を)始めるべきではなかった。取引できたはずだ」と、戦争が始まった責任がウクライナ側にあるかのような発言をした。
高官協議の後、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、いかなる和平合意のもとでも、北大西洋条約機構(NATO)加盟国からのウクライナへの平和維持軍の派遣を受け入れるつもりはないと述べた。
「ほかの旗を掲げる部隊が現れたとしても何も変わらない。言うまでもなく、全く受け入れることはできない」
ロシアとアメリカの高官はこの日、ウクライナでの戦争終結に向けた交渉を開始するチームを設置することで合意したと発表した。
マルコ・ルビオ米国務長官は協議後、「今日は長く困難な道のりの第一歩だが、重要な一歩だ」と述べた。
ウクライナは協議に招待されなかった。
トランプ氏は高官協議の後、「以前よりもっと自信がある」と語った。
「協議はとてもうまくいった。ロシアは何かしたいと思っている。野蛮な蛮行を止めたがっている」
「私にはこの戦争を終わらせる力があると思う」とも、トランプ氏は述べた。
欧州諸国がウクライナに部隊を派遣する可能性について問われると、「彼らがそうしたいのなら、素晴らしいことだ。全面的に支持する」とトランプ氏は答えた。
侵攻後初の対面協議
リヤドでの協議では、ロシアがウクライナ全面侵攻を開始してから初めて、ロシアとアメリカの代表団が直接顔を合わせた。
トランプ政権のスティーブ・ウィトコフ中東特使やマイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、ロシアのユーリ・ウシャコフ外交政策顧問、ロシアの政府系ファンドの責任者キリル・ドミトリエフ氏らも出席した。
協議を終えたラヴロフ氏は、アメリカとロシアはできるだけ早期に、それぞれの国の交渉担当者を任命し、「全面的な協力関係を回復する」ための条件を整えるだろうと述べた。
「とても有意義な協議だった。我々は互いの話に耳を傾け、互いの話を聞いた」
ラヴロフ氏は、ウクライナの加盟を含むNATOの拡大は、ロシアに対する「直接的な脅威」であるというロシアの従来の主張を繰り返した。
一方で、ルビオ米国務長官は、ロシアに、紛争を終わらせるための「真剣なプロセスへの取り組みを開始する意思がある」と「確信している」と述べた。
「すべての側が譲歩しなければならない。それが何であるかを、我々があらかじめ決めるつもりはない」
欧州の反応
トランプ氏は12日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話協議を行い、ウクライナでの戦争を終結させるための交渉を開始することで合意したと述べていた。
欧州諸国の指導者たちは17日にフランス・パリで、ウクライナでの戦争をめぐる緊急の会談を開催。トランプ政権下でのロシアとアメリカの歩み寄りへの対応を話し合ったが、意見はまとまらなかった。
イギリスのキア・スターマー首相は、ウクライナでの戦争終結をめぐる合意には、ロシアが隣国を再び攻撃するのを回避する「アメリカの後ろ盾」が必要だと主張。ウクライナに英軍を派遣することも検討するとしている。
しかし、NATOの重要な加盟国ドイツのオラフ・ショルツ首相は、現時点でウクライナへの部隊派遣を議論するのは「完全に時期尚早」だと述べた。
ポーランドのドナルド・トゥスク首相も、部隊を派遣するつもりはないとしている。欧州首脳で唯一、トランプ氏の大統領就任式に出席したイタリアのジョルジャ・メローニ首相も、懸念を表明した。
メローニ氏はパリでの会談で、欧州の部隊の派遣は、ウクライナの平和を確保するための「最も複雑で、最も効果的でない」方法になると述べた。
ルビオ米国務長官はリヤドで、欧州連合(EU)も「制裁を課しているのだから、いずれは(交渉の)テーブルにつく必要がある」と述べた。
高官協議にウクライナが招待されなかったことについては、「誰も脇に追いやられてなどいない」と強調。
「この紛争に関わるすべての人が納得し、受け入れられるものでなければならない」と付け加えた。

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ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、訪問先のトルコで記者会見に応じた。ゼレンスキー氏は明らかに疲れて、腹を立てているように見えた。
「我々はすべてが公平であることを望んでいる。誰一人として私たちに隠れて何かを決めることがないように」と、ゼレンスキー氏は述べた。
「ウクライナでの戦争をどのように終わらせるのか、ウクライナ抜きで決めることはできない」
リヤドでの協議で、アメリカとロシアの高官が浮かべた笑顔に、ゼレンスキー氏は警戒心を抱いている。しかし、米ロの合意内容を変えさせるための手段がほぼないことを、同氏はわかっているだろう。
また、アメリカの支援がなければ、ロシア軍を打ち負かすことはおろか、抵抗することも非常に難しいことも、理解しているだろう。













