ガザ住民の栄養不良、「憂慮すべき水準」とWHO警告 ヨルダンとUAEは物資投下

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世界保健機関(WHO)は27日、パレスチナ・ガザ地区における栄養不良が「憂慮すべき水準」に達し、「危険な傾向をたどっている」と警告した。こうした中、ガザへの援助物資の空輸・投下が再開された。
イスラエルが「戦闘の戦術的停止」と呼ぶ措置を開始したのを受け、ヨルダンとアラブ首長国連邦(UAE)は27日、ガザに援助物資を投下。ヨルダン軍は、UAEと連携して25トン分の援助物資を3回に分けてガザへ投下したと発表した。エジプトからは物資を積んだトラックの車列も到着し、ヨルダンからも別の車列が到着する予定。
イスラエルはこの日、ガザの一部地域において1日10時間、軍事作戦を停止し、国連の車列のための援助ルートを設けると発表。イスラエルがガザ住民を「意図的に飢えさせているという虚偽の主張を否定する」とした。これに対してイスラム組織ハマスは、イスラエルが自国の「イメージを美化しようとしている」と非難した。
国連のトム・フレッチャー事務次長(人道問題担当)は27日、ガザでの移動制限をイスラエルが部分的に軟化させたようだと述べた。
ロイター通信によると、フレッチャー事務次長は輸送トラック100台分の援助物資が検問所で集荷されたようだと述べ、それがガザ地区に搬入される見通しだと話した。
「これは前進だ」と評価した上で事務次長は、「しかし、飢饉(ききん)
と壊滅的な医療危機を防ぐには、大量の援助物資が必要だ」と述べた。
イスラエル国防軍(IDF)は27日、小麦粉、砂糖、缶詰などの入った援助パック7箱を空中投下したと明らかにした。
しかし、医療関係者によると、ガザ中部では援助物資の輸送ルート付近でイスラエル軍の攻撃があり、9人が死亡、54人が負傷した。26日には、イスラエル軍が軍事作戦を停止するとした時刻の1時間後に住宅地への空爆もあった。
ガザの情報筋はBBCに対し、ガザ中部のサラ・アル・ディン通り沿いにあるネツァリム回廊で、多くの民間人が国連の援助車列を待っていたところ、銃撃があり、9人が撃たれたと語った。犠牲者はヌセイラトにあるアル・アウダ病院へ搬送されたと、同病院の医療関係者は述べた。
IDFは、「容疑者の集団」が接近してきたため「警告射撃を行った」と説明。死傷者については承知していないとした。
こうした中、BBC ヴェリファイ(検証チーム)は、ガザ市西部アル・リマル地区にあるミドハト・アル・ワヒディ通りで起きた空爆の地理的位置を特定した。空爆の1時間前、イスラエルはこの地域を軍事作戦の停止区域に指定していた。
目撃者の複数証言と、27日に公開され、地理的位置が特定された映像2本を、BBCヴェリファイは検証した。IDFは、座標を確認したが、空爆は認識していないとした。
ガザ北部ジキムの食料配給拠点近くでは27日、ガザに到着した食料援助トラックに、物資を必死に探し求めるパレスチナ人が殺到した。住民は小麦粉の袋を手に入れようとした。

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国際社会がイスラエルに圧力
イスラエルはここ数週間、同国が支配するガザへの援助物資の搬入を許可するよう、国際社会から激しい圧力を受けている。ガザでは集団飢餓が起きているとの報告が上がっている。
国連世界食糧計画(WFP)は、ガザ住民の3人に1人近くが数日間にわたり食事を取れていない状態にあると警告。4分の1は「飢饉のような状況」にあるとしている。
ハマスが運営するガザ保健省は、ここ数日間で100人以上が栄養不良で死亡したと報告している。こうした中、食料を確保しようとして限られた配給拠点に集まった人々が銃撃され、数百人が殺害される事態が起きている。これらの配給拠点は、イスラエルとアメリカが支援する「ガザ人道財団(GHF)」が運営している。
ドナルド・トランプ米大統領は、ガザに追加の援助を送ると述べつつ、「これは国際社会の問題だ。これはアメリカの問題ではない」とも話した。
イギリスのデイヴィッド・ラミー外相は、「空からの物資投下は、最悪の苦難を緩和する助けにはなるが、陸路(での物資輸送)こそが、援助を届ける実行可能かつ持続可能な唯一の手段だ」と、ラミー外相は声明で述べた。

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ガザ住民の反応
イスラエルに包囲されたガザへの、食料や医薬品の搬入を可能にする、人道的な戦闘の一時停止が発効されたとの知らせに、住民たちは慎重ながらも歓迎する姿勢を示した。
「もちろん、少しだけ希望をまた感じている。でも、戦闘の一時停止が終われば、また飢えが続くはずだという不安もある」と、ガザ市に住む4児の母ラシャ・アルシェイク・ハリル氏はBBCに語った。
6児の母ネヴィン・サレフ氏は、「4カ月間、新鮮な果物や野菜を一つも食べていない」と話した。
「鶏肉はないし、肉も卵もない。あるのは缶詰と小麦粉だけで、あってもたいてい期限が切れている」
南部アル・マワシ地区出身のジャーナリスト、イマド・クダヤ氏は、投下された物資の大半は、住民がすでに避難しイスラエルが統制する非武装地帯に落ちているため、「そこに行くには非常に大きな危険が伴う」と指摘した。
イスラエルの主張
ガザに物資が投下され、物資を載せた車列がガザへ向かう一方で、イスラエルは「戦い続ける」とベンヤミン・ネタニヤフ首相は強調。「我々の戦争目標を達成し、完全な勝利を遂げるまで、我々は行動し続ける」とあらためて主張した。
カタールに亡命しているハマス指導者のハリル・アル・ハイヤ氏は27日、イスラエルとの停戦交渉は「封鎖と飢えが続く中では無意味だ」と述べた。
国連世界食糧計画(WFP)は27日、イスラエルがガザの一部地域で軍事行動を一時停止したことを歓迎したが、援助を「急増」させて、飢えた人々にこれ以上遅らせることなく届ける必要があると述べた。
ネタニヤフ首相は、国連が不当に飢餓の危機をイスラエルのせいにしようとしていると力説。「安全なルートはある。ずっとあったが、今日それが正式になった」と述べた。
26日に発表された新措置は、イスラエルがガザの3つの人口密集地域で1日10時間戦闘を停止し、援助物資の安全な輸送ルートを開設するというもの。
IDFによると、援助物資の車列用の回廊は、国連やそのほかの団体による食料・医薬品の搬入を可能にする。
これらのルートは、現地時間午前6時から午後11時の間に開放される。
軍事行動を一時停止する措置は、デイル・アルバラフ、アル・マワシ、ガザ市の3カ所で、追って通知があるまで、現地時間10時から20時まで実施される予定だと、IDFは付け加えた。
イスラエル軍は、2023年10月7日にハマス主導の攻撃でイスラエル人約1200人が殺害され、251人が人質に取られたことを受けて、ガザでの軍事作戦を開始した。
ガザ保健省によると、それ以降にガザで5万9000人以上が殺害されている。











