ロシアがキーウ攻撃、16人殺害 トランプ氏の停戦要求をよそに

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ウクライナ政府によると、首都キーウの20カ所以上で31日、ロシア軍によるドローンとミサイルの攻撃があり、集合住宅が崩壊するなどして16人が死亡、155人が負傷した。この攻撃に先立ちアメリカのドナルド・トランプ大統領は、ロシアが8月8日までに停戦に応じなければ対ロ制裁を強化すると警告していた。
ウクライナ内務省は、死者の中には6歳の男児とその母親も含まれており、子ども2人が死亡し、子ども16人が負傷したと発表した。キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、全面戦争開始以降、1夜での負傷者数としては最多だと述べた。
キーウでの死者のうち3人は、集合住宅の崩壊現場で確認された。ウクライナのイホル・クリメンコ内務相は、「建物の一つの入り口部分が完全に破壊された。救助隊ががれきの撤去を進めている」と述べた。
死者数は日中に増加し、内務省は夜遅くまでに16人の死亡を確認したと発表した。
キーウ上空では、ロシアのドローンによる高音が数時間にわたり響き、時折ミサイルの爆発音が鳴り響いた。
ウクライナ空軍によると、ロシアは夜間に309機の無人機と8発の巡航ミサイルを発射した。当局はその多くを迎撃したとしているものの、巡航ミサイルによる着弾も複数確認された。首都を照らすオレンジ色の光が、地上での着弾被害を物語っていた。
キーウのスビャトシンスキー地区とソロミャンスキー地区が最も激しく攻撃され、1人が死亡、20人が負傷したとクリメンコ内務相は述べた。クリチコ市長は、シェフチェンキウシキー地区では、病院の小児病棟の窓が爆風で吹き飛ばされたとテレグラムで報告した。市内の高等教育機関、学校、幼稚園も被害を受けた。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今回の攻撃の主な標的が首都キーウだったと述べ、「世界は再び、我々とアメリカ、ヨーロッパの平和への願いに対するロシアの返答を目の当たりにした。見せしめの殺人が繰り返されている」、「だからこそ、力なき平和は不可能だ」とソーシャルメディアに投稿した。
アンドリー・シビハ外相は、「キーウにとって恐ろしい朝だった」と述べ、「がれきの下にまだ人が取り残されている」と付け加えた。また、トランプ氏はプーチン氏に対して「非常に寛容で忍耐強く接してきた」が、今こそ「最大限の制裁圧力をモスクワにかける時だ」と強調した。
トランプ氏は今月14日、ロシアに対し50日以内に停戦に応じなければ経済制裁を科すと警告していたが、訪英中の28日にその期限を「10日から12日」に短縮。29日には、期限を8月8日にすると述べていた。
トランプ氏は、プーチン氏との個別協議での発言と、実際にウクライナの都市に飛来するミサイルとの間に食い違いがあると指摘。プーチン氏が自分に「うそをついた」と思うかどうかは言明していないものの、「停戦と平和に向かうはずだったのに(中略)突然ミサイルがキーウや他の場所に飛んでいく」と話していた。

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ロシアはウクライナ東部拠点制圧か
一方、ロシアはウクライナ東部ドネツク州の戦略拠点チャシウ・ヤールを制圧したと主張した。
ウクライナ側はこれを否定しており、軍事専門家も戦闘が継続中だとしている。
チャシウ・ヤールでの戦闘は昨年4月から続いており、市街地の大部分は破壊されている。ウクライナの軍関係者は、ロシアが偽情報を流していると述べている。
オープンソース情報分析プロジェクト「DeepState」は、ロシア軍がチャシウ・ヤールの東部および北部を掌握した可能性を指摘しつつ、他の地域では戦闘が継続中だと報告している。
高台にあるチャシウ・ヤールを制圧すれば、ロシアはドネツク州西部のドルジュキウカ、クラマトルスク、スラヴャンスクなどの都市攻撃にとって、きわめて有利な砲撃拠点を得ることになる。
ウクライナ軍は戦争を通じてロシア軍の兵力に劣勢を強いられており、東部でも兵力不足によりロシアの優勢が続いている。次はチャシウ・ヤールの南西約60キロにあるポクロウシクの街がロシアの標的にされると言われている。
複数の専門家は、同市を防衛するウクライナ兵数千人がロシア軍に包囲される危険があると警告している。












