バイデン大統領の息子、連邦法違反で起訴 銃の不法所持など罪状3件

Hunter Biden

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画像説明, ハンター・バイデン氏

ジョー・バイデン米大統領の息子、ハンター・バイデン氏(53)が14日、銃の購入をめぐる連邦法違反3件の罪で起訴された。現職大統領の子供が刑事訴追されるのは初となる。

ハンター・バイデン被告をめぐっては、納税と銃に関する容疑でデラウェア州の連邦地検が捜査を進めていた。以前には、有罪を認める代わりに罪状を軽減する司法取引の交渉が進んでいたが、7月に決裂していた。

8月にはメリック・ガーランド司法長官が、同州のデイヴィッド・ワイス連邦検事を特別検察官に任命した。

今回の起訴は、ワイス氏が特別検察官となって初めてのものとなる。ワイス氏の事務所は先に、9月29日までにハンター氏を起訴する意向を示していた。

米東部デラウェア州の連邦地裁に提出された起訴状によると、ハンター被告は、2018年10月に拳銃「コルト・コブラ・スペシャル・リボルバー」を購入した際、「違法薬物の違法使用者や常習者」ではないと虚偽申告したとされる。

この当時ハンター被告は、クラック・コカインを頻繁に使う常習者だった。

アメリカの連邦法では、こうした記録でうそをついたり、麻薬常習者が銃を所持することは犯罪に当たる。

司法省は声明で、有罪となればハンター被告には最長25年の禁錮刑が科せられるとした。ただし、実際の量刑はこれより短くなることが一般的。

ハンター被告がいつ出廷するのかは明らかになっていない。

ハンター被告の弁護人を務めアビ・ロウェル氏は、この起訴の過程は「共和党による不適切かつ党派的な干渉」に影響されたものだと述べた。

また、ハンター被告は「法律には違反していない」とし、弾の入っていない銃を短時間所持しただけで、公共の安全を脅かすようなことはなかったと述べた。

「だが、多大な権力を持つ検事が政治的圧力に屈することは、司法制度を深刻に脅かすものだ」とも、ロウェル弁護士は話した。

ハンター被告は6月、2件の軽微な税法違反について有罪を認め、麻薬を使用していた時期に銃を不法所持していたことについても罪を認める司法取引に合意した。

しかし、米連邦地裁の判事は、「標準的な条件ではない」ことと、銃関連事件の解決方法としては「異例」だとして、この取引を却下した。

Hunter Biden

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ハンター被告はバイデン政権下で役職に就いたことはない。しかし、バイデン大統領が2024年の大統領選挙で再選を目指すなか、ハンター被告の起訴をめぐる動きは政治的にも注目を集めている。

野党・共和党が過半数を占める米連邦下院は12日、バイデン大統領に対する弾劾調査を開始すると発表した。

大統領に対して共和党は、バイデン氏が副大統領だった2009~2017年の間、息子の商取引について嘘をついたと主張している

また、税務調査官2人が、ハンター氏の納税申告に関する調査を司法省が妨害したと主張している。司法省はこの主張を否定している。

下院によるバイデン大統領弾劾手続きを主導する下院監視・政府改革委員会のジェイムズ・コーマー委員長(共和党)はソーシャルメディアで、ハンター被告の起訴は「非常に小さな第一歩」だと述べた。

「しかし、ワイス連邦検事が詐欺計画や影響力の売買に関与した全員を捜査すれば、バイデン政権下の司法省がハンターとその上の『大物』を守っていることは明らかになる」

これに対して米コーネル大学ロースクールのランディ・ゼリン教授はBBCに対して、ハンター被告が実刑判決を受ける可能性は低く、あらためて司法取引が成立する可能性が高いと話した。

「ナンセンスな事件だ。誰も危害を受けていない。被害者のいない犯罪だ。前科もない。この国は本当にこんな形で、司法の資源を無駄遣いしたいのか?」と教授は述べた。