米司法省、バイデン大統領の息子めぐる捜査に特別検察官を任命

画像提供, Reuters
アメリカのメリック・ガーランド司法長官は11日、ジョー・バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏に関わる捜査について、特別検察官を任命した。
任命されたデラウェア州のデイヴィッド・ワイス連邦検事は、すでにこの件についてハンター氏を軽犯罪で訴追している。
ハンター氏をめぐっては、納税と銃に関する違法疑惑が持たれており、デラウェア州連邦地検が捜査を進めていた。以前には、有罪を認める代わりに罪状を軽減する司法取引が進んでいたが、7月に決裂していた。
野党・共和党は、捜査対象をハンター氏のビジネス取引にまで広げるよう求めている。
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ガーランド長官は記者会見で、ワイス検察官を任命したのは、今週に入って検事本人から要請を受けたためと説明した。
これにより、検察側は捜査に充てるリソースが増やせるほか、デラウェア州を越えた内容の訴追が可能になる。
また、特別検察官は捜査終了後に報告書を作成し、司法省は可能な限りでそれを公表する予定という。
ハンター氏を担当するクリス・クラーク弁護士は声明で、「これらの手続きがすべて終われば、依頼人にとって区切りとなり、引き続き建設的な人生を歩みつづられるはずだと、私たちは確信している」と述べた。
司法取引が成立せず
ワイス氏は2018年、当時のドナルド・トランプ大統領によってデラウェア州の連邦検事に任命された。翌2019年には、ハンター氏の犯罪疑惑についての捜査を開始した。
2件の軽微な税犯罪は、2017年と2018年の両方で、10万ドル(約1400万円)以上の税金を支払わなかったというもの。一方、銃に関する罪は、2018年に薬物を使いながら銃を所持したというものだ。
ハンター氏は当初、税犯罪について有罪を認め、銃の不法所持についても罪を認めることで司法取引に合意していた。
しかし、米連邦地裁の判事は、「標準的な条件ではない」ことと、銃関連事件の解決方法としては「異例」だとして、この取引を却下した。
その後もハンター氏と検察側は司法取引に向けた交渉を進めていたが、行き詰まっていた。
ワイス氏のチームは11日に裁判所に提出した書類で、この件は裁判にかけるべきだと判断したと説明。また、ワシントン(コロンビア特別区)かカリフォルニア州で新たに、より重い犯罪で起訴する可能性があると述べた。
共和党は、ハンター氏がバイデン大統領と共に、全面的な刑事責任を問われることを望んでいる。共和党は、バイデン氏がウクライナと中国におけるハンター氏のビジネス取引から利益を得ていると主張している。
同党のケヴィン・マカーシー下院議長は、共和党が多数を占める議会は、特別検察官の発表にかかわらず、大統領とその息子に対する調査を継続すると述べた。
一方のホワイトハウスはこの疑惑を「狂った陰謀論」と呼び、バイデン氏が息子のビジネスに関与しているという主張を否定した。
ワイス検事はすでに数年にわたりハンター氏を捜査しているが、これまでのところ、父親が大統領だということを理由にハンター氏の事業が利益を得たという証拠は見つけられずにいる。
ワイス検事を特別検察官に任命したことで、ハンター氏に対する捜査が2024年米大統領選の最中、あるいはその後も続くことはほぼ確実となった。
ホワイトハウスにとっては頭痛の種が続く一方で、司法省が共和党と民主党に対して二重基準で臨んでいるとしてきた共和党内や保守派からの非難が、多少はやわらぐ可能性もある。










