英与党、下院補選の2選挙区で大敗 ジョンソン氏の選挙区では議席守る

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イギリスの3選挙区で20日、下院議員の補欠選挙があり、与党・保守党が2選挙区で大敗を喫した。議員辞職したボリス・ジョンソン元首相の選挙区では、僅差で保守党が議席を維持した。労働党からは、25歳の最年少下院議員が誕生することになった。
イングランド南西部の選挙区「サマートンおよびフルーム」では、野党・自由民主党が1万9000票以上を獲得し、過半数を確保した。前回総選挙と比較し、同党には他党から29%の票が流れた。
北部ヨークシャーの選挙区「セルビーおよびエインスティ」では、最大野党・労働党が2万137票を得て、歴史的勝利を収めた。
一方、ロンドン近郊にあるジョンソン氏の選挙区「アックスブリッジおよびサウス・ライスリップ」では、保守党が議席を維持した。労働党には他党から6.7%の票が流れたものの、労働党のサディク・カーン・ロンドン市長が計画している、車両の「超低排出ゾーン(ULEZ)」拡大に反発する地元住民の怒りに乗じる格好で、保守党がわずか495票差で勝利した。
この結果、リシ・スーナク首相は与党が一晩で補選3議席を失うという、55年ぶりの大敗を免れた。
それでも、保守党にとっては厳しい夜となった。総選挙が来年見込まれている状況で、同党は全国的な世論調査において、労働党にリードされている。

セルビーおよびエインスティ選挙区
「セルビーおよびエインスティ」では、前回選挙で大勝した保守党を労働党が破り、補選としては1945年以降で最大の「大逆転」記録をつくった。
この結果、キア・メイザー氏(25)が下院の最年少議員となる。得票数は1万6456票で、保守党のクレア・ホームズ氏は1万2295票だった。
人口が少ない地域が多いこの選挙区は、2010年につくられて以来、保守党の牙城だった。

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労働党のキアー・スターマー党首は、「歴史的な結果だ。人々は労働党に注目するとともに、労働党が野心的かつ実現可能な計画を用意している、働く人々の優先事項を大事にする党に変わったと感じている」と話した。
メイザー氏は、労働党が「どこで勝てるか、従来のルールを書き換えた」と自身の勝利を評した。
サマートンおよびフルーム選挙区
「サマートンおよびフルーム」では、野党・自由民主党のサラ・ダイク氏が2万1187票を獲得し、劇的な勝利を収めた。保守党のフェイ・パーブリック氏は1万179票で次点だった。ダイク氏は勝利演説で、初めて自由民主党に投票した「生涯の保守党有権者」と、票を「貸して」くれた労働党および緑の党の支持者らに感謝した。ダイク氏は、国民は保守党によって「あまりにも長い間失望させられ、軽視されてきた」と主張。政府については「混乱だらけの大騒ぎにかまけている」と批判した。今回の補欠選挙は、保守党のデイヴィッド・ウォーバートン元議員が先月、薬物使用と性的不品行の疑惑で辞職したことを受けて行われた。2015年からこの選挙区で議員を務めていたウォーバートン氏は、コカイン使用は認めたものの、セクハラの主張は否定している。
自由民主党のエド・デイヴィー党首は、「圧倒的な勝利は、イングランド西部で自由民主党が着実に復権している証拠だ」、「民意と離れたリシ・スーナクの保守党政権に(国民は)うんざりしている」と話した。
アックスブリッジおよびサウス・ライスリップ選挙区
労働党は、ロンドン西部の「アックスブリッジおよびサウス・ライスリップ」でも勝利して、3補選で全勝することを狙っていた。
しかし、保守党と労働党の票が再集計される接戦の末、保守党のスティーヴ・タックウェル氏が1万3965票(得票率45.2%)を得て議席を獲得した。労働党のダニー・ビールズ氏は1万3470票(同43.6%)で次点だった。
ULEZの拡張に反対するタックウェル氏は、この問題を選挙戦の中心に据えた。同氏が有権者を戸別訪問した際には、この問題を重視する人が多かったとされる。

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タックウェル氏は勝利演説で、ロンドンのカーン市長の「有害で費用のかかるULEZ政策」のせいで、労働党は議席が獲得できなかったのだと述べた。労働党のアンジェラ・レイナー副党首は、この選挙区の結果について、ULEZと関係があると分析。「有権者の声を聞かなければ、選挙で勝てない」ことを示したと述べた。同選挙区の補選は、ジョンソン元首相の議員辞職が直接のきっかけとなった。ジョンソン氏は、新型コロナウイルスのロックダウン中にダウニング街でパーティーに参加したことをめぐって議会を欺いたとする調査結果を受け、議会から「追い出された」と主張した。







