ジョンソン元英首相の携帯メッセージ、コロナ調査委に期限までに提出されず

Boris Johnson

画像提供, PA Media

英政府の新型コロナウイルス対策に関する調査がスムーズに進んでいない。調査委員会は政府に、10日午後4時までに関連資料を提出するよう求めていた。しかし、ボリス・ジョンソン元首相が2021年5月以前に政府幹部らと交わしたメッセージは、いまも引き渡されていない。古い携帯電話に保存されたメッセージに、保安上の理由でアクセスできないからだという。

英政府は、新型ウイルス対策の調査に関連性のない資料を渡す必要はないと主張。裁判所の判断を求めていた。調査委の委員長を務めるヘザー・ハレット女男爵は、関連性の有無は自分が決めることだとしていた。

高等法院は6日、ジョンソン氏のメッセージアプリ「ワッツアップ」のやり取りや、日記、ノートを調査委が閲覧するのを阻止を求める政府の訴えを退けた。これにより、政府は期限までに資料を提出することになっていた。

しかし、BBCの取材で、政府もジョンソン氏側も、古い携帯電話に保存されたメッセージにアクセスできない状態であることが明らかになった。

この携帯電話はジョンソン氏が2021年5月まで使用していたもので、現在は同氏の弁護人の手元にある。

官庁街ホワイトホールの関係者は、いまだに提出できない理由を調査委に正式に通知した。

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ハレット委員長は、パンデミック対応の協議を目的としていたグループチャットについて、ジョンソン氏の携帯電話にあるメッセージへのアクセスを求めていた。

また、当時の財務相だったリシ・スーナク氏など多くの政治家や、英公務員トップのサイモン・ケイス氏らさまざまな公務員とジョンソン氏が交わしたワッツアップ・メッセージの閲覧も要求していた。

しかし、ジョンソン氏が使用していた携帯電話の番号が、15年間にわたりオンライン上で公開されていたことが判明し、機種変更を余儀なくされた。

このセキュリティ侵害を受け、古い携帯電話は2021年5月以降、電源を切った状態で保管されている。

高等法院が調査委と共有すべきだと判断した他のメッセージは、10日朝に調査委に送られた。

「アクセスできれば喜んで開示」

BBCのクリス・メイソン政治編集長によると、調査委の要求に応じられずにいることに、政府内でいら立ちが広がっている。携帯電話にアクセスするにはふつう、パスコードが必要になる。パスコードを把握しているのは通常、携帯電話の持ち主だけだ。

パンデミックの重要な時期に使用されていたジョンソン氏の古い携帯電話は、弁護士が保管している。

BBCの取材によると、政府関係者はジョンソン氏が代理人と一緒にいる際、同氏が携帯電話のデータにアクセスするのを助けようとした。

この携帯電話はジョンソン氏のもので、政府が単独で所有したことはない。

ジョンソン氏のチームは、「関連資料がアクセス可能になれば、彼(ジョンソン氏)は喜んで調査委に開示する」、「全面的な協力が進行中」だと主張している。

ジョンソン氏は、調査委が自分の未編集のメッセージを閲覧することを「歓迎」すると述べた。

同氏は以前、自身のワッツアップ・メッセージや日記、個人的なノートを未編集の状態で内閣府に渡したとしていた。