ジョンソン元英首相の弁護士費用、公金から約4000万円 パーティーゲート調査

Former Prime Minister Boris Johnson

画像提供, Getty Images

画像説明, ボリス・ジョンソン元英首相

イギリスで新型コロナウイルス対策のロックダウン中に首相官邸などで宴会が開かれていた「パーティーゲート」をめぐる議会の調査で、当時首相だったボリス・ジョンソン氏の弁護士費用に最大24万5000ポンド(約4150万円)の税金が投入される見通しとなっている。

ジョンソン氏は、パーティーゲートをめぐって議会をミスリードした疑いがあるとして調査を受けている。

首相辞任に追い込まれる直前の昨年8月、ジョンソン氏は弁護団と契約。今週、2回目の契約延長をした。契約額は22万2000ポンドから24万5000ポンドに上昇した。

BBCの取材では、弁護士費用を公金で負担することを財務省は承認していない。

閣僚や公務員らは、公金支出に関する決定では、財務省の指針に従うよう求められている。

財務省の支出規定は、「前例がなく、斬新で、論争を呼ぶような支出や、他の公共部門に影響を及ぼす可能性がある支出」については、常に同省の承認を得るべきだとしている。

BBCは情報公開請求を通し、この規定がジョンソン氏の弁護士費用にも当てはまるのか、内閣府に問い合わせた。回答は、すべての支出を財務省が承認する必要はない、というものだった。

政府の支出をチェックする会計検査院(NAO)は、ジョンソン氏の訴訟費用を補償する決定について、財務省の承認を得たのかも含め調査している。夏に予定している監査を終えた時点で、報告書を発表する予定だという。

対立する意見

内閣府やジョンソン氏に近い人は、大臣経験者らは弁護士に関して支援を受けられるという、長年の慣例があると主張。

政府も、公営住宅グレンフェル・タワーの火災、牛海綿状脳症(BSE)の流行などの公的調査で元閣僚らが法的支援を受けた例を挙げた。

しかし、これらは政府が始めた調査であり、議会による調査ではない。元政府高官らは、議会の調査には通常、政府側が主張する慣例は適用されないとBBCに話した。

元高級官僚のでシンクタンク「インスティチュート・フォー・ガヴァメント」のディレクター、アレックス・トマス氏は、「そもそもこの支払いが行われたことに驚いているが、同時に、このような形で(財務省に)承認されなかったことにも驚いている」と述べた。

事務次官経験者も、財務省の承認を求めずに支払いがなされていたことに驚いているとし、こう付け加えた。

「私ならこれは斬新で論争を呼ぶものだと考えるだろう」、「こうしたことは、唯一ではなくても非常に珍しい事態だ」、「これこそ財務省の援護を必要とする状況だ」。

野党側は、ジョンソン氏が首相を昨年辞任して以降、大金を稼いでいるとし、弁護士費用は自分で賄うべきだとしている。

最新の国会議員の登録情報によると、ジョンソン氏は首相を辞任してから550万ポンド(約9億3000万円)以上の収入を得ている。

<関連記事>

Presentational white space

直近の議会調査では

議会を欺いた疑いで元大臣が議会の調査を受けた最新のケースは、2005年のスティーブン・バイヤーズ元運輸相(労働党)だ。

調査は4カ月にわたったが、バイヤーズ氏には弁護士がつかず、政府から提供の申し出もなかった。

副首相を務めたドミニク・ラーブ氏は最近、いじめをしたとする調査の対象となったが、弁護士費用は自身で負担した。

元首相はミスリードを否定

ジョンソン氏は3月、パーティーゲートをめぐる議会の特別委員会で、弁護士に挟まれながら、議会を意図的にミスリードしたことはないと主張した

特別委がジョンソン氏の議会侮辱を認定すれば、同氏は議員資格が停止される。そうなれば、同氏の選挙区で補欠選挙が開かれる可能性がある。

ジョンソン氏の広報担当は、同氏が「この非常に長いプロセスにあらゆる段階で全面的に協力した」と説明。特別委の調査結果が出れば、それを検討すると述べた。