天安門事件の追悼集会主催者、高裁が有罪判決を覆す 香港

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香港の高等法院は14日、天安門事件の追悼集会の主催者に対する有罪判決を覆した。警察が違法行為をはたらいたと認定した。
香港警察は昨年6月、民主活動家で弁護士の鄒幸彤(チョウ・ハントゥン)氏を、無許可集会を行ったとして逮捕。鄒氏はこの件で有罪判決を受け、今年1月から服役していた。
最高裁は今回、警察が追悼集会の禁止を適正に正当化できなかったとの判断を下した。
ただし、鄒氏は香港国家安全維持法(国安法)違反でも起訴されているため、引き続き勾留されるという。
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香港とマカオはこれまで、中国領内で唯一、天安門事件の追悼行事が行える場所だった。しかし香港当局は2020年以降、新型コロナウイルス対策を理由に、天安門事件の追悼集会を禁止している。
鄒氏は、ヴィクトリア公園での集会を毎年開催する香港市民支援愛国民主運動連合会(香港支連会)の副主席を務めていた。ソーシャルメディアなどへの投稿で、香港市民に集会への参加や、追悼のろうそくを灯すよう呼びかけていた。
今年1月の裁判では、新型コロナウイルス対策法を破って集会に参加するよう仕向けたとして、禁錮刑の実刑判決を受けた。
陳恵敏(エイミー・チャン)裁判官は当時、鄒氏は「法律を完全に無視し、集会の自由が公衆衛生よりも重要だと考え」、「完全に自己正当化」していたと述べていた。
しかし高等法院は今回、警察がコロナ禍でも安全な方法でデモを行う選択肢を適切に検討していなかったと指摘。
張慧玲(ジュディアナ・バーンズ)裁判官は、警察が他の感染対策を「真剣に検討しなかった」と指摘。その結果、公共の集会が安全に実施できるならば、それを禁止してはならないという法律の要件を無視したと述べた。
この判決は、天安門事件の追悼集会に参加したとして有罪判決を受けた他の市民にも影響する可能性がある。その中には、中国政府に批判的なメディア界の大物、黎智英(ジミー・ライ)氏も含まれる。黎氏も1年前、同様の容疑で13カ月の禁錮刑を受けた。
黎氏は民主派タブロイド紙・蘋果日報(アップルデイリー)の社主だったが、当局によって廃刊に追い込まれ、自身も社屋を違法に利用した詐欺罪で逮捕された。
黎氏は今月に、この件で6年近い禁錮刑を受けたほか、国安法違反などでも終身刑を受ける可能性がある。国安法違反に関する裁判は来年9月に始まる予定。

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鄒氏などの人権活動家は長らく、香港当局が新型コロナウイルス対策を盾に天安門事件の追悼集会を禁じていると批判してきた。
1989年6月4日に起きた天安門事件では、天安門広場に集まった民主活動家を中国政府が弾圧。多くの民間人が犠牲者になったとされている。
中国政府は2019年の民主派デモ以来、香港の公民権や言論の自由などへの取り締まりを強化している。
そうした中で、天安門事件の追悼も標的にされており、昨年には記念館や大学などから展示品が撤去された。









