フランスがドイツに初のガス供給、ウクライナ侵攻受けたエネルギー危機受け

画像提供, Getty Images
欧州でロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー問題が続く中、フランスからドイツに初めてガスが直接供給された。両国が結んだ「欧州の連帯」供給契約に基づくもの。
フランスのGRTガスは、当初は31ギガワット毎時(Gwh)のガスを毎日、独仏国境のパイプライン経由で供給すると発表した。
これはドイツが1日に必要とするガスの量の2%に満たないが、供給元の多様化を進めているドイツはこれを歓迎している。GRTガスによると、最大供給可能量は100Gwhだという。
欧州の主要なガス供給元だったロシアは、ウクライナ侵攻以降、ガス供給を西側諸国への牽制の道具として使っていると非難されている。その結果、欧州連合(EU)の顧客はこの冬、記録的な料金の高騰に直面している。
<関連記事>

9月に結ばれたエネルギー連帯契約で、ドイツはフランスに対し必要に応じて電気供給を、フランスはドイツにガス供給を行うことで合意した。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は12日、「もし今、欧州の連帯と統合された統一市場がなかったら、深刻な事態になっていた」と話した。
フランスは、エネルギー需要のほとんどをノルウェーに頼り、液化天然ガス(LNG)でまかなっているため、ロシアがガス栓を閉めてもそれほど影響はない。
一方のドイツは、これまでガスの55%をロシアに頼っていた。しかし現在は35%に減らし、最終的には輸入をゼロにしたいと考えている。
また、環境への悪影響にもかかわらず、石炭の利用を増やしたほか、停止予定だった発電所を延命させている。
ドイツ政府はこの冬、公共施設の照明や暖房の使用を制限することで、ガス使用量を2%削減したいと考えている。
こうした中、ドイツのアンゲラ・メルケル前首相は、16年間の政権時代に主要なガス供給国としてロシアに依存したことを後悔していないと述べた。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は12日、欧州へのガス供給再開は可能だと発言。「いわゆるボールは今や、EUのコートにある」と述べた。
その上で、「我々は何事も制限しない」と述べ、ロシア政府には秋から冬にかけて追加のガス量を供給する用意があると付け加えた。
しかしプーチン氏の言葉とは裏腹に、ヨーロッパへのガス供給再開の可能性は低いとみられている。
ロシア最大の欧州向けガスパイプライン「ノルド・ストリーム1」は、技術的な理由により8月に無期限で閉鎖され、その後9月に多数の漏えいが発見された。
今年稼働する予定だった「「ノルド・ストリーム2」は、侵攻を理由にドイツから運転許可を取り下げられた。このパイプラインにも流出が見つかっている。










