ノルド・ストリームで新たなガス漏れ スウェーデンが確認
ロシアから欧州連合(EU)に延びる海底パイプライン「ノルド・ストリーム」について、スウェーデンは29日、新たなガス漏れの発生を確認していたと発表した。ガス漏れが見つかったのは、今週これで4件目。
スウェーデンの沿岸警備隊によると、新たなガス漏れはノルド・ストリーム2で確認された。先にノルド・ストリーム1で見つかった、大規模なガス漏れ箇所にかなり近いという。
デンマークとスウェーデンは今週に入って、ノルド・ストリームの1と2の両方でガス漏れが起きていると報告していた。
北大西洋条約機構(NATO)は、「意図的、無謀、無責任な破壊工作」の結果だとしている。
ロシアは、同国が自らのパイプラインを破壊したとの見方について、「予想どおりの、ばかげたもの」だと一蹴。同国外務省は、「アメリカの情報機関が管理する地域」で爆発があったとした。
ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、ガス漏れについて「極めて懸念している」と発言。意図的に攻撃された可能性も排除できないと付け加えた。
EUはロシアを非難
ノルド・ストリームは、ロシア・サンクトペテルブルク近くの沿岸からドイツ北東部まで、約1200キロメートルにわたってバルト海の海底に横たわっている。
今年2月にロシアがウクライナに侵攻すると、ノルド・ストリーム2は予定されていた開通を中断。8月になってロシアは、維持補修が必要だとして、ノルド・ストリーム1の運用を停止した。
そのため、これら2つの並行して延びるパイプラインは、どちらもガスが入っているものの、現在はガスを送っていない。
EUは、ロシアがガスの供給を西側諸国に対する武器として使っていると、繰り返し非難している。EUがウクライナを支援していることに対し、ロシアが報復しているとの主張だ。
駐英ドイツ大使のミゲル・ベルガー氏は、今回の出来事に非国家組織が関与していない――つまり、どこかの国が関わった――ことは明らかだとBBCに述べた。
国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は、背後に誰がいるのかは「極めて明白」だと話した。ただ、それ以上の言明は避けた。
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EUの首脳らは、エネルギー・インフラに対する攻撃は、いかなるものでも「可能な限り強力な対応」で臨むとしている。
一方、EUに加盟していないノルウェーは、石油やガスの施設を守るため軍を出動させるとした。
「ロシアがやったというのは非論理的」
今回のガス漏れをめぐっては、複数の地震学者が、ガス漏れの発覚前に水中で爆発があったと報告している。デンマークの国防軍司令部はバルト海の水面に直径1キロにわたり泡が浮かぶ映像を公開した。
スウェーデンの国立地震学センターのビョルン・ルンド氏は、「これらが爆発であることは間違いない」と話した。
一方、シンクタンクのロシア国際問題評議会(本部モスクワ)のアンドレイ・コルトゥノフ氏は、ロシアが攻撃するとは考えられないと、BBCラジオ4で述べた。
「ロシアはいつも非難されるが、(パイプライン)はロシアの財産なので、ロシアが損害を与えるというのはあまり論理的とは思えない」
「欧州の人々の生活を苦しくさせる方法は他にもある。インフラに損害を与えず、ガスの供給をストップさせるだけでいい」
BBCのジョナ・フィッシャー気候問題担当編集委員は、ノルド・ストリームから漏れ出しているガスに含まれるメタンが、強力な温暖化効果をもっていると指摘。
現時点では、漏れ出した量は不明だが、世界全体の排出量から見れば、わずかと言える可能性が高いとした。











