ロシアは欧州市民の「日常生活」の破壊を狙っている=ゼレンスキー大統領

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は3日、ロシアがヨーロッパ市民の日常生活の破壊を狙っていると述べた。
ゼレンスキー氏はこの日の定例演説で、「ロシアはまだミサイルで攻撃できない場所を、困窮と政治的混乱で攻撃しようとしている」と述べた。
また、「この冬、ロシアはすべてのヨーロッパ市民に対する容赦ないエネルギー攻撃を準備している」と主張。欧州諸国の結束だけが防衛になるとした。
ロシアの国営エネルギー会社ガスプロムは前日、ヨーロッパへの主要ガスパイプライン「ノルド・ストリーム1」について、無期限で稼働を停止する可能性があると発表していた。同社はそれまで、メンテナンス作業で3日間稼働を停止するとし、3日に再開の予定だった。
ヨーロッパは、ウクライナでの戦争が続く中、ロシアがガス供給を利用してヨーロッパを脅していると非難している。ロシアはこれを否定している。
冬の暖房費への懸念
ロシアが2月24日にウクライナに侵攻して以降、エネルギー価格は高騰している。供給が不十分で、コストがさらに上昇する可能性がある。
欧州連合(EU)各国の家庭では、この冬の暖房費を支払えなくなることへの懸念が強まっている。
EU各国政府は、こうした危機に対する緩和策を検討している。
ロシアの供給停止で深刻な影響を受けているドイツは4日、650億ユーロ(約9兆円)規模の経済支援策を発表。オラフ・ショルツ首相は、ロシアはもはや信頼できるエネルギーのパートナーではないと述べた。

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EU各国はロシアとの対立によって、ガス需要を自前で満たさなくてはならなくなっている。ドイツのガス貯蔵量は、6月には半分を切っていたが、現在は84%まで増えている。
ヨーロッパは、ロシアの戦争資金調達力を低下させるため、ロシア産エネルギーへの依存度を減らそうとしている。
ロシアのガスプロムが供給停止の継続を発表したことを受け、欧州理事会のシャルル・ミシェル議長は、「悲しいことに驚きではない」とツイートした。
「ガスを武器として使っても、EUの決意は変わらない。私たちはエネルギー自立への道を急ぐ。私たちの義務は、EU市民を守り、ウクライナの自由を支援することだ」
ロシアは、ノルド・ストリーム1の定期メンテナンスが滞っているのは西側の制裁のせいだとしている。EUはこれを、ロシア側の口実に過ぎないしている。
ロシア産エネルギーへの対応
ガスプロムの発表は、主要7カ国(G7)がウクライナ支援のために、ロシアの原油価格に上限を設定することで合意してまもなくのタイミングで行われた。G7はイギリス、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本の7カ国。
この合意に加わる国は、ロシア産の石油と石油製品のうち、海上輸送され、上限価格以下で販売されるものだけを購入できる。
一方でロシアは、この合意に参加する国には石油を輸出しないとしている。
ガスパイプラインのノルド・ストリーム1は、ロシア・サンクトペテルブルク付近の海岸からドイツ北東部まで伸びている。1日あたり最大1億7000万立方メートルのガスを運ぶことが可能。
ロシアのウクライナ侵攻後、同パイプラインの稼働が停止されたことは、これまでにもあった。
ガスプロムは7月、「メンテナンスのための停止」として、供給を10日間、完全停止した。10日後に再開したが、供給量をかなり減らした。











