ロシア国営ガスプロム、EUへの送ガス停止延長

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ロシアの国営天然ガス会社ガスプロムは2日、ドイツへのガスパイプラインの稼働停止を延長すると発表した。「ノルド・ストリーム1」のガスタービンにオイル漏れが見つかったとしている。停止は3日朝までの予定だったが、これで再開時期は未定となった。欧州では冬を控えて、ガス不足への懸念が強まっている。
ガスプロムによると、オイル漏れはガスタービンにかかわる圧縮ユニットの保守点検中、回線接続部で発見した。点検作業は、タービンを維持する独シーメンスの作業員と一緒に実施したという。ガスプロムは、こうしたオイル漏れの補修には特別の技術が必要だが、西側の制裁のため困難になっていると説明した。
これに対してシーメンスは、「こうしたオイル漏れは通常、タービンの動作に影響しない。オイル漏れを止める補修は現場でできる。保守点検作業の通常の範囲内だ」と異なる見解を示している。
ドイツの連邦ネットワーク庁は、ロシア産ガスの供給が途絶えてもドイツは以前より対応できる状態になっているとした上で、市民や企業にガスの使用量を減らすよう呼びかけた。
ガスプロムの発表に先立ち、主要7カ国(G7)は同日、ロシア産石油の取引価格に上限を設ける追加制裁の枠組みを12月に導入することで合意した。G7は、イギリス、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本で構成される。
ロシアのウクライナ侵攻によってエネルギー価格は高騰しており、供給不足から今後もさらに上昇が続くと懸念されている。
欧州諸国は、ロシア産天然ガスの購入がロシアの軍資金となるのを避けるため、ロシア産エネルギーへの依存度を下げようとしているものの、移行が冬に間に合うかどうかが注目される。
対するロシアは自国産エネルギーを使って西側の制裁に報復しているわけではないと主張し、パイプラインの稼働停止は保守点検のためだとしている。しかし、欧州連合(EU)はそれは建前に過ぎないとしている。

ノルド・ストリーム1はロシアのサンクトペテルブルク近くからドイツ北東部まで、1日最大1億7000万立方メートルを運ぶことができる。ガスプロムが筆頭株主のノルド・ストリーム社が所有・運営している。
平行して走るノルド・ストリーム2の運用を、ドイツはかつて支持していたものの、ロシアのウクライナ侵攻によって開通は中断した。
ガスプロムは今年7月にもノルド・ストリーム1でのガス供給を10日間、停止した。この時も保守点検のためと説明し、10日後に再開したが、供給量はかつての量を大幅に下回った。


スイス・ベルン在住のエコノミストでエネルギー市場に詳しいコルネリア・マイヤー氏はBBCに対して、ロシアからのガス供給停止は欧州の雇用や物価に大きな影響をもたらすと話した。
「欧州のガス価格はすでに1年前と比べて約4倍になっている。今回の供給停止は、さらに莫大な影響をもたらす。現在の生活費上昇危機はこれからますます悪化する。ガスそのものだけでなく、ガスは肥料にもなり、様々な製造過程に使われるので、多くの雇用や物価に影響する」

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