イギリス在住の英人男性、香港の国安法違反で当局が起訴の方針

ジェイムズ・ランデイル外交担当編集委員

Benedict Rogers speaking at a rally in London in 2021

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画像説明, ベネディクト・ロジャーズ氏

香港警察は、イギリス国籍でイギリスに在住している男性について、中国の香港国家安全維持法(国安法)を「危機にさらした」として、起訴する方針を示した。香港外にいる人物について、当局が国安法を適用しようとするのは初めてだとみられている。

ベネディクト・ロジャーズ氏は、香港の人権活動を支援する慈善団体「香港ウオッチ」を運営している。

香港警察は今回、ロジャーズ氏に対し、香港に戻った場合には「外国勢力との共謀」の容疑で起訴されると通告した。

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香港ウオッチによると、香港警察はロジャース氏に対し、香港に戻った場合には禁錮刑か10万香港ドル(約150万円)の罰金が科せられると通告した。

ロジャーズ氏は「香港ウオッチ」は黙らないと表明。「私たちは今後も香港の人々や、全体主義政府の下で収監されている勇敢な政治犯たちの声となっていく」と話した。

イギリスのリズ・トラス外相は、香港当局の脅しは「正当化できない」と述べた。

イギリス植民地時代の最後の香港総督、クリストファー・パッテン卿は、中国が香港の表現の自由を損なおうとしている「恥ずべき例」だと批判した。

動画説明, 抗議者から「愛国者」へ……中国が香港を抑圧する理由

香港の憲法にあたる香港特別行政区基本法は、1997年に香港がイギリスから中国へ返還された際に施行された。「一国二制度」を基本とし、香港での集会の自由や言論の自由などの権利を保護するものとなっている。

しかし中国政府は、2019年に香港で起きた民主派デモ以降、香港での反対意見の取り締まりを強化。2020年6月に施行された国安法は、中国からの分離独立や中央政府の転覆、外国勢力との結託などを犯罪行為とし、違反者は最高で無期懲役が科される。

これまでに民主派の活動家や野党政治家などが次々と逮捕・起訴されている。