【北京冬季五輪】 フィギュアのワリエワ選手、出場可能 ドーピング違反めぐりCASが決定

Kamila Valieva

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画像説明, カミラ・ワリエワ選手はCASの決定発表後まもなく、氷上での練習を再開した

スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ選手(15、ロシア・オリンピック委員会)について、暫定的な資格停止にすべきではないと決定した。同選手はドーピング検査で陽性と判定されたが、開催中の北京冬季オリンピックで再び競技できることになった。

ワリエワ選手は昨年12月25日の検査で、狭心症を防ぐ薬物トリメタジジンが検出され陽性となった。今月8日にこの結果が通知され、暫定的な資格停止とされたが、異議を申し立てた。翌日、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が資格停止を解除した。

国際オリンピック委員会(IOC)、世界反ドーピング機関(WADA)、国際スケート連盟(ISU)は、RUSADAによる解除を不服としてCASに提訴していた。

CASのマチュー・リーブ事務局長は、ワリエワ選手の出場を阻めば、「取り返しのつかない損害」を同選手に及ぼすだろうと説明した。

そして、「次の例外的な状況が考慮されるべきだ。彼女は16歳未満であり、世界反ドーピング機関(WADA)規則の下の保護対象者である」と付け加えた。

CASは13日、この問題をめぐって6時間近くにわたって聴取を実施。3人の委員が14日朝まで検討を続けた。

今回はワリエワ選手の資格停止について判断したに過ぎない。検査の陽性判定や、それをめぐる状況については調べていない。

五輪開催中の通知

ワリエワ選手の陽性判定は、検査で検体を提出してから6週間近くたった、冬季オリンピックの真っただ中に告げられた。

スポーツ界の最高裁にあたるCASは、「結果通知のタイミングがまずいという深刻な問題」も、今回の決定に影響したとした。

「冬季オリンピック大会の最中という、こうした遅い時期の通知は、彼女の過ちではなかった」

ワリエワ選手は7日まで開かれた団体戦に出場し、ロシア・オリンピック委員会の金メダル獲得に貢献した。メダルは、今回のドーピング問題が完全に終結するまで、授与されない予定。

15日には個人種目が始まる。金メダル候補と目されているワリエワ選手は、これに出場できることになった。

ワリエワ選手は14日、CASの決定が発表されてから30分ほどのうちにリンクに出て、メディアの前で練習を再開した。

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遠い問題解決

ワリエワ選手の今回の五輪への出場問題はこれで解決された。だが、大会全体に影を落とす結果となった。また、ドーピング違反の疑いをめぐって未成年者が大騒動のただ中に置かれたことには、怒りの声が噴出している。真の問題解決には程遠い状況だ。

WADAはすでに、ワリエワ選手の同行者について調べると表明している。コーチ、医師、それ以外の成人らが対象になる。一方で、同選手が検査で陽性になった問題は、まだ解決されていない。

それはつまり、彼女が五輪でメダルを獲得して、あとで剥奪される可能性があることを意味する。

ロシアは過去のドーピング違反を理由に国際大会への出場を禁止されている。そうした中で、ロシア選手が検査で陽性となったことは、これから大きな議論を呼ぶとみられる。

ロシアからは今回の五輪に212人ほどの代表団が参加しているが、制裁の一部として、ロシア・オリンピック委員会(ROC)の名前で出場している。メダル授与式では国旗も国歌も用いられていない。

IOCはCASの決定の発表前、決定について「好むと好まざるとにかかわらず」受け入れるとしていた。

一方、アメリカ・オリンピック委員会は、「今回の決定が発信するメッセージに失望している」とコメントした。