【北京冬季五輪】 「恥さらし」などと批判殺到 フィギュア団体で転倒の中国代表

19-year-old Zhu Yi crying after the completion of her single free skate performance on Monday

画像提供, EPA/FAZRY ISMAIL

画像説明, 朱選手は団体フリーの演技を終えると泣き出した(7日)

北京冬季五輪フィギュアスケート団体で複数回転倒した中国代表選手が、中国のソーシャルメディアで厳しい批判を浴びている。

フィギュアスケート中国代表の朱易(ジュ・イー)選手(19)は6日、五輪デビュー戦となる団体女子シングルのショートプログラムに出場。冒頭のコンビネーションジャンプで転倒して壁に衝突した。その後も精彩を欠いて最下位となり、中国チームのメダル獲得が厳しくなった。

団体は、男女のショート、ペアショート、アイスダンスのリズムダンスの各種目で順位に応じてポイントが与えられ、上位5チームが翌日にかけて実施された決勝に進んだ。中国は5位で決勝に残った。

しかし、朱選手は7日のフリープログラムでも2度転倒し、再び最下位に。中国チームは順位を上げられず、5位に終わった。

フリーでも転倒したことで批判はさらに強まった。

バックグラウンドもやり玉に

中国人の両親のもとアメリカで生まれ育った朱選手は、2018年に米国籍を放棄し、中国代表として五輪初出場を果たした。

ソーシャルメディアでは恥ずかしい演技だとの声があがり、同選手のバックグラウンドや中国語が得意ではないことなどがやり玉にあげられた。

また、中国生まれの選手を差し置いて代表に選ばれたことへの不満も関係しているとみられる。

父親が著名な科学者であることが選手選考で有利に働いたという根拠のない主張も、多くの人が唱えた。

報道によると、中国のソーシャルメディアの微博(ウェイボ)ではハッシュタグ「朱易が転んだ」トレンドになったが、その後削除された。ただ、朱選手の名前での検索は可能のままだ。

こうした悪質な攻撃を受け、微博は300件以上の投稿を削除し、複数のアカウントを停止した。

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「プレッシャーをたくさん感じていた」

ショートの冒頭のジャンプで転倒する前から、朱選手は緊張しているようだった。演技後、朱選手はがっかりして恥ずかしいと語った。

「中国の誰もが女子シングルの代表選考にかなり驚いていたのを知っていたので、プレッシャーをたくさん感じていたと思う。自分ができることをみんなに見せたかったけど、残念ながらできなかった」

挽回を狙った翌日のフリーでもコンビネーションジャンプで転倒するなどし、再び批判が噴出した。

氷上で涙をこらえていた朱選手は、演技を終えると泣き出した。

Zhu Yi falling during her single women's free skate during the team event

画像提供, EPA/FAZRY ISMAIL

画像説明, 朱選手は団体フリーで2度転倒した

「ネットいじめ」

リンクサイドではチームメイトたちが朱選手を温かく迎え入れた。しかし、ネット上の反応はほとんどが否定的なものだった。

あるソーシャルメディアユーザーは、「彼女には力がなく、氷上での情熱や熱意もないように見える」と書き込んだ。

「彼女が泣いているのが気に入らない。泣けば何か解決するのか?」と、朱選手の苦悩を嘲笑するコメントもあった。

一方で、同選手を擁護し、同情を示す人も多い。

「この若いアスリートに感情をぶつけること。彼女がミスをしたときにソーシャルメディアを使って、人の窮状につけ込んで攻撃を加えること。これはネットいじめであり、どんな理由があろうと行き過ぎだ」と、中国国営の英字紙「環球時報(グローバルタイムズ)」の元編集長として有名な胡錫進氏は述べた。胡氏の投稿は広くシェアされた。

国威のためのメダル獲得

中国代表選手はしばしば、国民の注視に直面し、国威のためにメダルを獲得しなければならないという計り知れないプレッシャーにさらされる。

朱選手は、今大会のメダル獲得を目指して中国が獲得した数十人のアスリートの1人。

朱選手の状況と、8日のスキーフリースタイルの新種目、女子ビッグエアで中国に劇的な金メダルをもたらした谷愛凌(アイリーン・グー)選手の扱いを比較する声もある。谷選手もアメリカで生まれ育った。

谷選手は中国で広く愛され、中国の「スノープリンセス」というニックネームさえある。同選手はその運動能力だけでなく、中国語のスキルや中国文化を受容していることでも称賛されている。

朱選手をめぐる論争について、谷選手は中国のソーシャル・プラットフォームでは「90%のコメントがポジティブで励みになるもの」だと述べた。

「これはスポーツの一部であり、誰もがそれを理解している」