オミクロン株で「パニックしないで」、慎重な対応と準備が必要と呼びかけ=WHO

WHO's top scientist Soumya Swaminathan

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画像説明, 世界保健機関(WHO)の主任科学者ソミヤ・スワミナサン氏は「パニックするのではなく準備をして慎重になる必要がある」と話した

世界保健機関(WHO)の主任科学者ソミヤ・スワミナサン氏は3日、世界各地で確認されている新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」について、パニックする必要はないと述べた。

複数の報告によると、オミクロン株は現在、約40カ国で確認されている。

オミクロン株には多数の変異がみられるが、従来株より感染力が強いのか、さらにワクチン接種で獲得した防御効果を回避する能力が高いのかについては今のところ分かっていない。

南アフリカの科学者たちが2日に公表したデータによると、オミクロン株は新型ウイルス感染症COVID-19に対する免疫を回避する能力を持っている可能性があるという。ただ、科学者たちはこの分析は決定的なものではないとしている。

Omicron

スワミナサン氏はロイターネクストの会合で、南アフリカのデータに言及し、オミクロン株の「伝染性は非常に高い」と述べた。また、世界の新型ウイルス感染でオミクロン株が主流になる可能性はあるが、それを予測するのは難しいとした。現在の世界の感染の99%はデルタ株によるものだと、スワミナサン氏は付け加えた。

「私たちはどれくらい心配すべきか? 1年前とは状況が違うのだから、パニックするのではなく準備をして慎重になる必要がある」

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こうした中、WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン氏は、世界には現在、COVID-19に「非常に効果的なワクチン」があるので」、これをより広く普及させることに注力すべきだと述べた。また、オミクロン株に合わせてワクチンを修正する必要があるという証拠は、得られていないとした。

omicron PCR

各国の対応

オミクロン株は南アフリカで最初に検出された。これを受け、複数の国がアフリカ南部諸国に対する渡航禁止措置を発表した。

アメリカのジョー・バイデン大統領は2日、オミクロン株が国内の広い範囲で確認されていることを受け、渡航ルールの強化を発表。アメリカに渡航する全ての外国人旅行者に対し、出発前24時間以内に新型ウイルス検査を受けることを義務付けた。

アメリカ国内では現在、ハワイを含む少なくとも6つの州でオミクロン株が検出されている。当局によると、ハワイ州の感染者には渡航歴がないという。

Virus

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画像説明, オミクロン株には新型コロナウイルスの変異株の中で最も激しい変異がみられる

インドも、オミクロン株の感染者を2人確認したと発表した。当局によると、1人は66歳の南アフリカ人で、南アフリカからインドへ渡航したが、すでにインドを離れたという。もう1人はインド南部ベンガルールの医師(46)で、渡航歴はない。

インドは4月から5月にかけて感染の第2波に見舞われ、病床や医療用酸素、医薬品が足りなくなるなど、医療システムが対応しきれなくなった。

欧州各国は今年秋からすでに感染者急増の対応に追われていた。その中で、オミクロン株の確認が報告された。

ドイツは3日、ワクチン未接種者の社会行動を大幅に制限すると発表。数週間後から、レストランや映画館、多くの商店は、ワクチンを接種したか、新型ウイルスに感染して最近回復した人だけが入場できるようになるとした。

退任間近のアンゲラ・メルケル首相は、ワクチン接種が来年2月までに義務化される可能性があるとも述べた。

隣国オーストリアは来年2月1日から、ワクチン接種を義務化するとしている。ベルギーやオランダなども、新型ウイルス対策の制限措置を再開あるいは強化している。

英保健当局は追加接種の展開加速に取り組んでいる。英政府は米ファイザー製と米モデルナ製のワクチンを1億1400万回分追加購入し、来年1月末までに全成人に追加接種を提供すると発表している。