ガザの栄養不良による死者、過去24時間で7人増え154人に ハマス運営の保健当局が発表

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パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが運営する保健当局は30日、過去24時間で7人のパレスチナ人が栄養不良によって死亡したと発表した。これにより、現在の戦争が始まってからの栄養不良による同地区での死者は154人に上り、うち89人は子供だとした。
ガザをめぐっては、国連が支援する世界的な食料安全保障の専門家グループが29日、「飢饉(ききん)という最悪のシナリオが進行中だ」との警告を発していた。
イスラエルは、ガザへの援助物資の輸送を制限していないと主張している。しかし、欧州の主要な友好国や国連、ガザで活動する援助機関は、こうした主張を受け入れていない。
こうした中、アメリカのスティーヴ・ウィトコフ中東担当特使は31日にイスラエルを訪問し、ガザの危機的状況について協議する予定。
今回の訪問は、ウィトコフ氏にとって約3か月ぶりのイスラエル訪問で、アメリカとイスラエルがカタールでのガザ停戦に向けた交渉から代表団を引き揚げてから1週間たたないタイミングで行われる。米政府は、ハマス側の交渉担当者が「誠意を持って行動していない」と非難している。
物資配給所付近でまた殺害、略奪も
ガザ南部ラファでは30日、アメリカとイスラエルが支援する「ガザ人道財団(GHF)」の援助物資配給所近くで、パレスチナ人6人が殺害された。ガザの病院関係者がBBCに証言した。
この関係者によると、配給所が開く少し前に、中へ入ろうとした群衆が、イスラエル軍の戦車から攻撃を受けたという。
GHFはBBCに対し、30日にGHFの施設やその周辺で殺害行為は起きていないと述べた。
イスラエル国防軍(IDF)は、IDF兵に脅威をもたらす「容疑者の集団」に対し、移動を命じ、その後「数百メートル離れた場所」から「警告射撃」を行ったと、BBCに説明した。
また、「初期評価を行ったところ、報じられている死傷者数と、IDFが把握している情報が一致しないことが示された」とした。
GHFの配給拠点付近では、ほぼ毎日のように死傷者が報告されている。パレスチナ人は、イスラエル軍やGHF施設の警備を請け負う業者が物資を求める人々に発砲し、殺害していると非難している。
IDFは配給所付近での死者数について、正しくないと主張している。
ハマス運営のガザ保健省は30日の声明で、過去24時間で103人が攻撃により殺害され、1人の遺体ががれきの中から収容されたと発表した。犠牲者のうち60人は、援助物資を確保しようとした際に殺害されたという。
一方、パレスチナ赤新月社(PRCS)は30日夜、北部ジキムで人道支援を待っていた人々への攻撃に絡み、二つの病院に計6人の遺体が運び込まれたと発表した。
PRCSによると、この攻撃では274人が負傷し、病院で治療を受けているという。詳細は明らかにしなかった。
複数の情報筋はBBCに対し、29日にガザへ入った援助物資のトラックは109台にとどまったと語った。そして、トラックのほとんどは、ガザの境界を越えた後に略奪に遭い、目的地に到達しなかったとした。
小麦粉の袋を積んだ車両に、食料を必死に確保しようとする群衆が殺到する光景は、ガザではよく見られるものとなっている。家族のために手に入れようとする人もいれば、売り物にしようとする人もいる。
ガザの危機的状況に対処するには、1日に少なくともトラック600台分の物資が必要だと、国連は推定している。
イスラエルは3月初めにガザへの人道支援物資の搬入を全面的に停止。その2週間後にはガザへの軍事作戦を再開した。イスラエルはこうした対応について、ハマスに人質を解放するよう圧力をかけるためだと主張した。
世界中の専門家が、ガザで飢饉(ききん)が起きる可能性があると警告する中、ガザへの物資搬入は5月に部分的に再開された。しかし、食料・医薬品・燃料不足は悪化している。
イスラエル軍は、2023年10月7日にハマス主導の攻撃でイスラエル人約1200人が殺害され、251人が人質に取られたことを受けて、ガザでの軍事作戦を開始した。
ハマス運営のガザ保健省によると、それ以降にガザで少なくとも6万138人が殺害されている。
ガザの危機的状況を受け、イギリスのキア・スターマー首相は29日、イスラエルがガザに関して複数の条件を満たさなければ、9月の国連総会でパレスチナ国家の承認に踏み切ると表明した。条件には、停戦への合意、パレスチナ国家と共存する「2国家解決」を実現する持続可能な和平への注力、国連による支援物資の搬入再開を認めこと――などが含まれている。
イスラエルはこの発表に激しく反発している。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イギリスの立場は「ハマスの凶悪なテロ行為に報酬を与えるものだ」と非難した。
ハマスの人質として1年3カ月以上拘束され、今年1月に解放された、イギリスとイスラエルの二重国籍を持つエミリー・ダマリ氏は、スターマー英首相は「歴史の正しい側に立っていない」と指摘。スターマー氏が「テロを助長するリスクを冒している」とした。











