カナダもパレスチナ国家承認の意向 フランスとイギリスに続き

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カナダのマーク・カーニー首相は30日、パレスチナ国家を9月の国連総会で正式に承認する意向を表明した。主要7カ国(G7)でこうした発表をしたのは、この1週間でカナダが3カ国目。
カーニー氏は記者会見で、承認はパレスチナ自治政府で根本的かつ民主的な改革がなされるかにかかっていると説明。イスラム組織ハマス抜きの選挙の来年中の実施や、パレスチナの非軍事化などを、具体例として挙げた。
カナダが外交政策を大きく転換する理由としては、ヨルダン川西岸でのイスラエルの入植地の拡大、ガザの人道状況の悪化、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃があると、カーニー氏は説明。「ガザにおける人々の苦難のレベルは耐え難いものであり、急速に悪化している」と述べた。
カーニー氏はまた、カナダは長い間、「2国家解決」を支持し、交渉による和平を求めてきたが、「このアプローチはもはや持ちこたえられない」と発言。「パレスチナ国家の見通しが、私たちの目の前でどんどん損なわれている」とした。
カーニー氏によると、この発表については、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長とこの日あらかじめ、話をしたという。
パレスチナは、アッバス氏率いるイスラム組織ファタハがヨルダン川西岸の一部を、ハマスがガザを、それぞれ掌握している。いずれの地区でも、選挙は2006年を最後に実施されていない。
現時点で、国連加盟193カ国のうち147カ国がパレスチナ国家を正式に承認している。
この両国の動きに影響を受けたのか、と記者会見で質問されたカーニー氏は、カナダとして独自に決断したと答えた。ただ同時に、カナダは、将来のパレスチナ国家を弱体化させようとする努力に「反対する、非常に重要で大きくなりつつある国際社会の一員」だと付け加えた。
アメリカのドナルド・トランプ大統領には相談したのかと問われると、カナダは自分たちで外交政策を決定すると、カーニー氏は述べた。
イスラエルは反発、カナダ保守党も批判
イスラエル外務省は、カナダの発表を「ハマスへの報酬」だと反発。「ガザでの停戦と人質解放の枠組み実現の努力を阻害する」とXに投稿した。
カナダの保守党も、カーニー氏の発表を問題視。「(2023年)10月7日のテロリストによる残虐行為の後にパレスチナ国家を承認することは、世界に間違ったメッセージを送る」とする声明を出した。
カーニー氏にパレスチナ国家の承認を求める圧力は、イギリスとフランスという、カナダと密接な国からの発表が相次いだのを受け強まっていた。29日には、元カナダ大使や外交官ら約200人が、イスラエルの行動はカナダの利益と価値観に違反しているとし、カーニー氏にパレスチナ国家の承認を迫る書簡に署名した。
フランスとイギリスがパレスチナ国家を正式に承認すれば、国連安全保障理事会の常任理事国で承認しないのは、イスラエルの強力な同盟国のアメリカだけとなる。
ハマスは2023年10月7日にイスラエル南部を襲撃し、約1200人を殺害、251人を人質に取った。これに対し、イスラエルはガザでの軍事作戦を開始した。
ハマスが運営するガザ保健当局によると、それ以来、ガザでは少なくとも6万34人が殺害されている。栄養不良でも154人が死亡し、うち89人は子どもだという。












