ネタニヤフ氏、ガザ空爆は「始まりに過ぎない」 停戦合意は崩壊の危機

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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は18日夜、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスに対する「戦闘を全面的に再開した」とするビデオ声明を出した。
ネタニヤフ氏は、「交渉は戦火の下でのみ続けられる」、「これは始まりに過ぎない」と挑戦的な警告を発した。
また、イスラエルはガザで拘束されているイスラエル人の人質を解放するため、ハマスとの交渉を試みてきたと主張。しかし、ハマスが毎回、提案を拒否したと非難した。
ネタニヤフ氏はさらに、すべての戦争目標を達成するため、イスラエルは戦い続けると宣言。目標は、「人質を戻し、ハマスを除去し、ハマスがイスラエルの脅威ではないことを確実にする」ことだとあらためて強調した。
この声明に先立ち、イスラエル軍の戦闘機はガザで、ハマスを標的にした大規模な空爆を開始した。この空爆は、1月19日に停戦合意が発効して以降で最も激しいものとなった。
停戦はこれまで、先行きがおぼつかないながらも、ほぼ維持されてきた。だが、今回の新たな波状攻撃で、戦争を永続的に終わらせる計画が霧散する可能性がある。
空爆されたベイトラヒア、ラファ、ヌセイラト、アル・マワシでは、停戦合意からしばらくガザ住民が経験してきた、比較的平和な状況が打ち砕かれた。病院は再び、死傷者であふれかえっている。
ハマスが運営するガザ保健当局は、今回の空爆で400人以上が殺害され、それより数百人多い人々が負傷したと発表した。
ハマスは、イスラエルによる攻撃再開が、ガザに残る人質に「死刑宣告を言い渡す」ことになると警告。イスラエルについて、ハマスに降伏を強要しようとしていると非難した。
停戦の仲介役を担ってきたエジプトも、ガザ空爆を非難している。エジプト外務省のタミム・ハラフ報道官は、空爆は停戦合意に対する「明らかな違反」であり、「危険な状況悪化」を示していると述べた。
一方、ガザ地区の病院を統括するモハメド・ザコット氏は、「空爆はあまりに突然で、その規模の大きさに対して、医療スタッフの人数が足りなかった。直ちに応援を呼んだ」とBBCアラビア語に話した。
ガザ南部でパレスチナ人医師を指導している産科医のサブリナ・ダス氏は、「まったく突然のことだった。(中略)みんな戦争がまた始まったと知り、打ちのめされた」とBBCに話した。ダス氏が勤務する病院では「再び数多くの犠牲者が運び込まれるようになった」ため、同僚らが「徹夜で手術を続けた」という。
停戦の進め方で対立
イスラエルとハマスは、停戦合意の第1段階が3月上旬に終了して以来、停戦をどう進めるかで意見が対立している。
停戦合意は3段階でできており、永続的な停戦の確立とイスラエル軍のガザ撤退を定めた第2段階の交渉が、6週間前に始まることになっていた。
だが、交渉は始まらず、アメリカとイスラエルが第1段階を延長して人質をさらに解放させようとしたため、合意の維持が危ぶまれた。
ハマスは、合意に関する変更を、受け入れられないとしている。変更案は、アメリカ、カタール、エジプトの仲介でまとめられた。
米政府は空爆前に相談受けていたと
米政府関係者らは今回の空爆について、イスラエルから実施前に相談を受けていたと述べた。
米国家安全保障会議のブライアン・ヒューズ報道官は、「ハマスは停戦延長のために人質を解放することもできたが、そうせずに拒否と戦争を選んだ」と述べた。
一方、イスラエルでは、人質の家族を代表するグループが国会前で、政府は新しく攻撃を開始したことで「人質を見捨てた」と抗議した。
イスラエルによると、ハマスはなお人質59人を拘束している。うち24人は生存しているとみられるという。

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ガザでの現在の戦争は、ハマスが2023年10月7日にイスラエルを攻撃し、約1200人を殺害、251人を人質に取ったことで始まった。
イスラエルは大規模な軍事行動で応戦。ハマス運営のガザ保健当局は、パレスチナ人4万8500人以上が殺され、民家やインフラに甚大な被害が出ているとしている。












